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190-衆-厚生労働委員会-12号 平成28年04月20日

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子です。
 九州の熊本また大分で発生をいたしました地震により亡くなられた方々、今、死者四十七名ということでございますが、心から哀悼の意を表したいと思います。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、質問に入ります。
 法案の審議でございますが、一問、この九州での地震に関しまして質問してまいります。
 公明党としても、地震発生後直ちに対策本部を立ち上げまして、国会議員が現地に飛び、また地方議員と連携をしながら、被災された方々の声を一つ一つ酌み上げて政府につなげていく、今、この取り組みに全力で当たっております。
 昨日も大きな余震がございまして、また広域化もしているということで、ともかくこの地震の対策に一丸となって取り組んでいただきたいと思っております。特に厚生労働大臣におかれましては、命を守ることを最優先に、全力で支援に当たっていただきたいと思っております。
 特に、車中泊をしていらっしゃる方で、熊本市内、五十代の女性が、エコノミークラス症候群、肺塞栓で亡くなられた。また、さらに同症候群の疑いで二十人以上が熊本市内の病院に搬送されて、重体の方もいるということでございます。極めて深刻でございます。
 また、安全な避難場所の確保、そして、やはり水、食料が足りない、この輸送がおくれているということを伺っております。
 また、熊本市民病院も倒壊のおそれがあるということで、負傷された方々を治療する医療機関が不足をしている。広域的な協力が必要であると思っております。
 また、精神的なダメージ、不安を抱えていらっしゃる方々も多くいる。また、避難所で下痢症状を訴えた人からノロウイルスが検出をされたという案件もございました。PTSD、心のケア、また健康被害についても、きめ細やかに対応していくことが重要だと思っております。
 今回の地震の対応について、お考えをお伺いしたいと思っております。

○とかしき副大臣 まずは、答弁に当たりまして、熊本県、大分県を中心とする地震で被災された方々には、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 そして、御質問の件でございますけれども、まず、四月十四日の前震から十六日の未明の本震へと被害がだんだん拡大してまいりましたので、厚生労働省といたしましては、組織を短期的な対応から長期的な対応の体制に変えさせていただきました。
 被災地のニーズは、救急医療中心から生活支援中心へと今変わってきておりまして、被害対応の長期化に備えまして、生活支援物資や医薬品等の確保、被害者の健康管理、先ほどお話のありましたエコノミー症候群とかこういったもの、そしてノロウイルスの対応とか、さらに、心のケアも含めた対応もさせていただかないといけません。
 これが被災者の方々ですけれども、これだけではなくて、さらに、今度は災害対応に従事している医療や福祉関係者のサポート、これもあわせてやっていかなくてはいけないというふうに考えております。
 ということで、ニーズは刻々と変わってまいりますので、地方自治体や民間団体と連携しながら、あらゆるルートを使って、まずはニーズをしっかり把握して、そして迅速な対応につなげていきたい、このように考えております。

○古屋(範)委員 今、公明党の議員も現場のニーズの把握に努めておりますけれども、的確にニーズを把握し、そして適切な対応、命を守る支援を行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、子供関連の質問に入ってまいります。
 これは、千葉市長から保育士不足について御要望をいただきました。今、保育士を養成する短大それから保育士養成校の定員につきまして、文部科学省は定員の一・一倍まで許容をしております。厚生労働省では、定員が一人でも超えると始末書を書かせます。そのために、余裕を持った合格通知ができない。ふたをあけてみると、結果、定員割れになってしまうという状況が生まれております。これは厚生労働省によって厳しく管理されている状況を何とか改善できないものかと思います。
 ここのところ、保育士の不足を改善していく、まずは、ここの短大、養成校の段階で柔軟な運用が必要なのではないかというふうに思います。毎年の定員管理の若干弾力化をするだけでも、ここから保育士不足を解消する、保育士をふやしていくことができるのではないかと思います。厚生労働省の御見解をお伺いいたします。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 保育士の養成に関しましては、お話ありましたように、短大等の指定保育士養成施設において行われているわけでございますが、当然ながら、保育に関する専門的な知識、技術の習得ということで、一定の学習環境を確保するということで定員の管理というのはあるわけでございます。
 一方で、入学定員の超過をした学生数が、適切な学習環境の確保の観点から著しく過大ではない、あるいは、今お話ありましたように、入学後の辞退者等がありますので、過去の入学実績ですとか辞退者等の状況等に鑑みて、当該定員超過が合理的な範囲内であれば、特段文書等による指導は行わないで、口頭の助言等にとどめるということで、これは、実は、平成十九年に、各地方厚生局にはその旨の事務連絡は私ども出してあったわけですが、今お話ありましたように、一部の厚生局で、やはり若干厳しい運用がされていたということはどうもあったようでございまして、それは私どもも話を伺っております。
 現状、お話ありましたように、保育人材の確保は非常に喫緊の課題でございますので、私どもとしては、この十九年にお示しした考え方に沿って、さらに柔軟な運用が行われるようにということで対応してまいりたいと思ってございます。
 実は、この指定保育士養成施設の監督の事務は、二十八年の三月三十一日から都道府県に権限移譲されておりまして、今後は都道府県において指導監督を行っていただくということになります。なので、都道府県における今後の定員管理と指導監督におきましても、こういった考え方、私どものできるだけ柔軟にという考え方が徹底するように、私どもの方から都道府県にも御周知申し上げて、そのような運用をしていただけるようにお願いしたいと思っております。

○古屋(範)委員 今、都道府県の指導監督になっているということですので、ぜひその都道府県に対する通知というものを徹底していただきたいと思います。また、口頭で説明をさせるということなんですが、それも私は必要ないのではないかと思いますので、ここのところは前向きに検討していただきたいと思います。
 次に、児童扶養手当の法案について質問に入ってまいります。
 この法案につきましては、平成二十二年、民主党政権下における改正の際に、公明党からも対案を出しました。実際の質疑に出したのは私でございます。その中で、DV、児童虐待により離婚係争中の家庭、また、一人親も不在となって公的年金を受給する祖父母のもとで育てられている家庭へも児童扶養手当の給付を拡大すべきだという対案を提出いたしました。当時、現場の理事は最後まで汗をかいてくださったんですが、民主党政権下ではこの法改正は採用されず、引き続きの検討事項となったということでございます。
 その後、平成二十四年の政令改正で、配偶者からの暴力により離婚係争中の家庭については、裁判所の保護命令が発令された場合は、直ちに児童扶養手当の支給対象となる。また、二十六年の法改正等で、公的年金を受給する祖父母のもとで児童が育てられる家庭については、公的年金の額が児童扶養手当の額を下回る場合は、その差額分の児童扶養手当を支給できるということが実現されました。
 今回の法改正では、長い間据え置かれてまいりました多子加算について、第二子を最大五千円から一万円、また、第三子以降三千円から六千円ということで、第二子については三十六年ぶり、第三子以降については二十二年ぶりの加算となります。
 改めて、本改正案の評価についてお伺いをしたいと思います。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 申し上げるまでもなく、改めてのことでございますけれども、一人親家庭は、子育てと生計の維持をお一人で担っておられるということで、さまざまな困難を抱えておられるということで、経済面あるいは生活面、さまざまな御支援を申し上げなければいけないということでございます。特に、二人以上お子様がいるということになりますと、生活上必要な経費も増加いたしますので、特にきめの細かな支援が必要だと私どもも認識しております。
 今般の制度改正に当たりましては、御案内のように、すくすくサポート・プロジェクトの中で、生活支援、居場所づくり等々、さまざまな支援をパッケージで行ったわけでございますけれども、特に経済的な支援ということでは、子供がたくさんいらっしゃる家庭について、やはり優先的に、非常に財源状況は厳しいわけですけれども、お手当て申し上げるということが必要なのではないかということで、今お話ありましたように、過去長い間据え置かれておりました多子加算につきまして最大限の拡充を図るということで、最大倍増ということで法律改正をお願いしたという経緯でございます。

○古屋(範)委員 一人親家庭の経済支援、第二子以降倍増ということで、非常に大きな法改正であるということでございます。
 続きまして、一人親家庭の就業支援についてお伺いをしてまいります。
 一人親家庭の、特に母親の場合に、母子家庭の四七・四%がパート、アルバイトである、平均の就労年収が百八十一万円ということで、非常に低いということであります。なかなか、就業経験が少なかったり、子供を抱えていたり、非常に厳しい状況にあるということであります。
 この一人親家庭の自立を促進するために、自治体の相談窓口のワンストップ化であるとか、また、看護師、介護福祉士など資格を取っていくということで給付金の充実が図られてまいりました。高等職業訓練促進給付金であるとか、また貸付事業の創設、教育訓練を受けた場合に支給される給付金の額の引き上げ、これは自立支援教育訓練給付金ですけれども、こうした制度の改善が行われてまいりました。やはり資格を取っていくということが安定した収入につながっていくのだというふうに思います。
 この内容についてわかりやすく御説明をいただきたいのと、こうした資格制度を知らないという方々もいらっしゃいます、どうやってこの給付金を受けたらよいのか、こういうこともぜひとも周知をして、一人でも多くの方々に制度を活用していただきたいと思います。
 これに関して御見解をお伺いします。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 就労による自立というのは、やはり一人親対策の基本と考えてございます。やはり御自分で稼いだお金で生活するということは、御自身の精神的な自立ということにもつながりますので、ぜひ就労を通じた自立というものを支援してまいりたいと思っております。
 お話ありましたように、就職に有利な資格の取得を促進する、一人親家庭の収入増ということで、高等職業訓練促進給付金の支給というものを行ってきております。
 今お話ありましたように、二十八年度から、まず一つは、支給期間の上限を二年から三年に延長いたします。三年に延長いたしますと、三年通えるということになりますので、実は、看護師等、かなりしっかりした資格、専門職の資格が取れるということで、これにつきましては全期間支給対象とする。
 もう一つは、逆に今度は、二年より短いものについても出すということで、例えば調理師さんでありますとか製菓衛生師といったような一年で取れる資格、こういったものも給付の対象にするということで、給付金の充実を図っております。
 これは、平成二十八年度、前年度から約十六億ほど増額いたしまして、六十八億の予算を用意してございます。
 もう一つは、一人親家庭の方々に関しましては、こういった訓練を受けるときのいわば就業促進の、訓練促進の貸付金ということで、これは補正で八十五億円新しく貸し付けを行いました。これは、入学金でありますとかあるいは卒業した後の就職に向けての準備金といったもので、入学金五十万、就業準備金二十万、これは貸し付けということでございますが、その後、資格を生かして就職をしていただいて五年間働いた場合にはこれは免除するということで、就労につながった場合には事実上返還を行わなくても構わないという形にいたしました。
 こういった経済的な支援のほかにも、先ほど申し上げましたすくすくサポート・プロジェクトの中で、生活支援、就業支援等々さまざまな施策を講じております。
 今回かなり大幅にさまざまな施策を講じたわけでございますけれども、やはりなかなか、生活に日々追われておられる一人親の方々ですと、こういったものが十分周知がされない、あるいはなかなか情報が届かないということがございます。
 これはかねてから指摘されてきたところでございますので、今般つくりましたすくすくサポート・プロジェクトの中では、とにかくワンストップで情報が提供できるように自治体側でできるだけわかりやすい体制をとるということで、まず一つは、窓口を一本化するということと、その窓口がわかりやすいように、相談窓口の愛称、ロゴマークというのをつけまして、バッジとかそういったものをつくりまして、必ず自治体に行ったときにはそのマークを目安に行けるようにするということで、これは自治体の御協力もいただいて、そういう体制を今準備しつつあります。
 自治体側も、そういった相談に一義的に応じることができる相談の窓口の担当の方というのを決めていただいて、その方は、わかりやすいように、今言ったロゴマークをつけて窓口に座っていただくといったようなことで、できるだけわかりやすい対応をしたい。
 あわせて、パンフレットその他、もちろん通常のものも用意いたしますし、最近ですと、皆さんネットもごらんになりますので、ネットでアクセスして情報もとれるようにということで、さまざまな施策を講じまして、一人親の方々に、いわば情報を、待っているだけではなくてこちらからお届けするという体制をとって、できるだけこういった新しい施策を御利用いただいて、自立につなげてまいりたいというふうに思っております。

○古屋(範)委員 この高等職業訓練促進給付金、二年から三年に拡充した非常に大きな改革であると思います。ぜひ、死別また離婚にしても、精神的に落ち込んでいる、そんな方々が何らかの形で行政にアクセスをしたときに、そこからこうした制度につなげられるようにしていただきたいというふうに思います。
 次に、ITを活用したテレワーク、在宅就業についてお伺いをしてまいります。
 私も、ワーク・ライフ・バランスの観点からテレワークの普及ということには取り組んでまいりましたけれども、とりわけ一人親の母親にとっては、このテレワークという就業形態は非常に重要だと思っております。
 平成二十七年度予算では、一人親家庭の在宅就業を推進するために、都道府県及び市が実施主体となって、業務の開拓であるとか仕事の品質管理、能力開発、相談支援等一体的に取り組むという事業が始まりました。特に、一人親のお母さんは昼働き、夜働きということが多いんですが、夜だけでも在宅で仕事ができるということになれば、子供との会話なども少しでもできるようになるということで、テレワークというのは非常に有効な働き方であると思っております。
 これが、平成二十一年度から昨年度まで、在宅就業を希望する一人親に対して、自営型の在宅就業や企業での雇用への移行を支援するひとり親家庭等の在宅就業支援事業が行われてまいりました。この実績、評価についてお伺いしたいと思います。
 また、一人親へのテレワークの活用を今後進めていただきたいんですが、一人親家庭の在宅就業について、今後どのように展開されていくのか、お伺いいたします。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 一人親家庭の在宅就業支援でございますが、今先生お話ありましたように、平成二十一年度にひとり親家庭等の在宅就業支援事業を創設いたしました。これは当時、安心こども基金というのがございまして、この資金を使って、業務の開拓ですとか御本人の能力開発、あるいは業務処理の円滑な遂行等々、一体的にやっていただくということで、自治体に対し助成を行うという制度がありました。
 ただ、これにつきましては、実は訓練を修了した方の在宅就業による月収が余り多くないということで、費用対効果の面で余り効果がないということで、実は、二十六年八月に、この事業の評価を行う有識者の検討会では、この形ではなかなか費用対効果が低いので、継続するのはいかがなものかということで御評価をいただいて、見直しをするようにと。ただ、在宅就業の支援自体は必要な施策なので、それは継続をするようにということで御報告をいただいたところでございます。
 これを受けまして、二十七年度から、より効果的な在宅就業の支援の形にしようということで、一つは、実績払いのような形で、在宅就業者に発注した業務とか支払った報酬に連動して発注企業側に一定の対価を支払うという形で、結果が出たところにお金を払うというような形で見直しをするということと、在宅就業に必要なスキルの習得につきましては、既存のさまざまな支援を行っている機関をもうちょっと活用しようということで、母子家庭等就業・自立支援センター等、既存の事業をできるだけ活用して、受け皿の側の支援もあわせて行うというような形にしていこうということで見直しをしたところでございます。
 先生お話しのように、在宅で就業する、家でテレワーク、ホームワークで働くことができるというのは、やはりお子さんを抱えているお母様方、お父様方にとっては非常にありがたい制度ですので、両立支援という観点でも、あるいはお子さんとの時間を確保するという観点でも、在宅で就労できるという形態、あるいはそういう形の働き方、お仕事をできるだけふやしていって御支援申し上げるという方向をさらに強化してまいりたいと思っております。

○古屋(範)委員 ぜひ、テレワークという働き方、非常に有効だと思いますので、実効性があるように知恵を絞っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、前回も質問いたしましたけれども、児童虐待の問題について質問してまいります。
 警察庁によりますと、虐待が疑われている、全国の警察が昨年児童相談所に通告をした十八歳未満の子供は、三万七千二十人ということであります。非常に多い。二〇〇四年以降増加を続けて、最多を更新いたしました。事件で被害を受けた子供が八百七人、うち二十六人の子供が死亡をしております。
 私の地元相模原でも、親から虐待を受けて自殺をしたという案件がございました。この中学二年生の男子生徒は、両親から虐待を受けているので、児童相談所に施設で暮らしたいということを言っていたんですけれども、児童相談所が緊急性がないと判断して一時保護を行わずに面談の対応をし、家に帰した、その後自殺を図った。ここの所長さんも、我々がかかわってからは関係改善が見られたので、職権保護をしなければならないような急迫した状況ではなかった、対応は間違っていなかったと会見で述べております。
 また、今月十一日にも、奈良県の生駒市で、二歳の長男を衣装ケースに閉じ込めて死亡させるという事件が起きました。ここでも児童相談所は対応していなかったわけなんですね。
 こうした児童虐待がふえる中で、二〇一四年現在で、全国二百七カ所の児相において、虐待に対応する児童福祉司は約二千八百人、一人で虐待案件を約百四十件抱えている。専門の相談職員が非常に少ない、人員不足の現状であります。
 またあわせて、次の次の質問で予定をしておりましたけれども、人員不足だけではないというふうに思います。専門人材の確保、また児童相談所職員の資質の向上、これも必要かと思います。これについてのお考えをお伺いいたします。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 児童相談所の現状でございますが、お話ありましたように、二十六年度の児童虐待の対応件数は八万八千九百三十一件ということで、これは平成十一年の一万一千六百三十一件に比べまして約七・六倍ということで、大変多くの、これはもともと顕在化していないものが顕在化してきたということも含めてですが、非常に相談件数は増加をしている。
 これに対しまして、それに直接指導等で当たることになります児童相談所におります児童福祉司の数は、これは、総務省さん、自治体もさまざま御配慮していただいて、ほかの分野に比べるとかなりふやしていただいてはいるんですが、約二・三倍の増加にとどまっているということで、業務量の増に専門職種の配置というものが必ずしも十分対応できていないというのが正直なところではないかと思います。
 また、内容的にも、今お話ありましたように、大変複雑困難なケースがふえているということで、その意味でも児相には非常に負荷が大きくなっていると思っております。その意味で、専門職の配置を含めて、児相の体制の強化、専門性の向上は私ども喫緊の課題であるというふうに考えてございます。
 ということで、こういった観点を含めまして、児相の体制強化を含めまして、児童虐待防止対策につきまして全般的な対応を講じようということで、今般、児童福祉法等の改正案を今国会に御提出して御審議をお願いしているところでございます。
 その中では、児童相談所に配置する専門職といたしまして、まず児童心理司、それから医師または保健師、医療系の職種、それから児童福祉司の指導、教育を行うスーパーバイザーといったものを法律上専門職としてきちんと配置をするということで配置を規定する。
 あわせて、児童福祉司の配置標準につきまして、従来は人口単位で配置をするということを行っていたわけですが、今般は、現実に発生している虐待等、業務量に応じて配置基準を見直すということで見直しをさせていただきます。
 あわせて、児童福祉司に関しましては、国の基準に適合する研修の受講を義務づける、あるいは社会福祉主事につきましては、児童福祉司に任用する場合には任用前講習を行うことを義務づけるといったような形で、体制の強化と専門性の向上を図るということを考えております。
 あわせまして、児童相談所の体制強化、専門性を計画的に高めるということで、これは総務省さんの御協力もいただいて、児童相談所体制強化プランというものを現在策定中であります。近々取りまとまることになっておりますが、この中では、児童相談所につきましては、この十年間で最も手厚い水準となるような地方交付税措置をしていただきまして、標準団体当たりおおむね三名の増ということで、全体では三桁の上の方の数になるような数の増員を行うということで、引き続き、体制の強化、専門性の強化ということで取り組みを進めてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○古屋(範)委員 東京・葛飾区で起きました愛羅ちゃんという女の子の虐待死事件なんですが、父親に継続的に虐待を受けていた。児童相談所では、この愛羅ちゃん、家庭において見守り中だったんですけれども、警察には情報提供していなかった。住民から、子供の泣き叫ぶ声がする、虐待ではないかということで一一〇番通報があったんですが、警察官が駆けつけたんですが、親からは夫婦げんかだというふうに言われて、そう言われてしまうと、なかなか子供の服をめくって虐待があるかどうか確認をすることができないということで、結局は愛羅ちゃんは死亡しました。遺体には四十カ所のあざがありました。
 私は、警察との連携ということは非常に重要であると思っております。児童相談所が案件を抱え込まずに警察等他機関に情報提供していく、これも重要なのではないかと思っております。
 警察のOBで弁護士の、NPOシンクキッズの後藤代表からもお話を伺いました。アメリカ、イギリスでは、児童保護部局と警察が虐待案件について全件について情報を共有していく。警察から児童相談所への情報提供だけではなく、児童相談所から警察への情報提供というものが必要です。今、日本では高知県しかこれは行われておりません。住民が通報するのも、やはり一一〇番に通報するということが非常に多いんだというふうに思います。
 そこで、児童相談所長が通告を受けた虐待案件については警察に通知をするということを徹底して、虐待の危機対応は警察にも担ってもらうことで、児童相談所、人数が足りない、一極集中、なかなか対応ができないという事態を変えていかなければならないというふうに思います。
 最後にこれについての御見解を伺って、質問を終わります。

○塩崎国務大臣 児童虐待につきましては、市町村、児童相談所、そしてまた関係機関と緊密な連携をするということが大事であり、中でも警察との連携というのが極めて大事なのは御指摘のとおりだと思います。
 児童相談所では、警察との間で、個別ケースの積極的な情報交換とか、あるいは子供の安全確保のための警察への援助要請、相互協力による職員研修、警察官OBの採用などを推進するとともに、市町村の要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協、これを活用して連携を図っているわけであります。
 これをさらに進めるために、今月、警察庁から各都道府県警察に対しまして、児童虐待が疑われる場合は児童相談所に過去の対応状況等を照会するような通達が既に発出をされてございます。
 これを受けて、厚生労働省としても、児童相談所において、刑事事件として立件可能性がある重篤事案、あるいは子供の安全確認について保護者の強い抵抗が予想されるような事案、こういったものなどを把握したときは、迅速、確実に警察と情報共有を行うことについて通知を、これはことしの四月一日付で行ったところでございます。
 今国会に提出中の児童福祉法等の改正案では、市町村の要対協の調整機関に専門職を配置し、関係機関の連携を一層強化することとしておりまして、こうした取り組みを通じて、児童虐待への対応に全力で取り組んでまいりたいと思います。
 私どもも、警察との話し合いの中で、警察の側でも児童心理などについての専門性を持った方を採用するなどの努力もしていただいているというふうに聞いております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。

○渡辺委員長 次に、田中英之君。

○田中(英)委員 おはようございます。自由民主党の田中英之でございます。
 本日は、本委員会にて質問させていただく機会をお与えいただきました。先輩、同僚の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。
 また、まず冒頭にでありますけれども、熊本を中心に九州地方で起こりました地震に際しまして、とうとい命を亡くされた方々の御冥福と、そして、いまだ、震災から一週間でありますけれども、その間、被災をされている方々、いろいろと大変な思いをされていることと思います。一日も早い回復というものを私自身も望んでおりますし、それに向けて取り組めることを努力することを改めてお誓い申し上げる次第でございます。
 また、政府におかれましても、そして塩崎大臣を初めとする厚生労働省の皆さんも、関係する仕事として、熊本を初めとする九州の皆さんが生活をするにふぐあいな点というのはあったと思います。例えば、健康保険証がなくても受診ができるような体制を整えるとか、この間、二十を超えるさまざまなことを即座に御決定いただきました。このことにつきまして、改めて感謝と敬意を申し上げる次第でございます。
 それでは、児童扶養手当の支給に関しての質問に移らせていただきたいと思います。
 先般からの委員会での質疑で、児童扶養手当の金額が、政府の案では、第二子以降では、第二子に関しては五千円が一万円になり、第三子は三千円が六千円になるということでありますし、一方で、衆法で出されております方は、第二子以降は均一、一万円、大学生をこの部分に加えてやるということであります。
 いずれの方にしましても、この間、なかなかこの支給の金額というものを上げるということがなかった中で、一人親家庭の方、また多子世帯の方々をサポートするという意味では、前回からの質疑を聞く中では、上がるという意味では、恐らく、どの委員の皆さんもそのことについては賛同をされるのではないかなというふうに思っております。
 そんな中で、この二つの法の大きな違いというのは、今申し上げましたとおり、それぞれの法の中での金額の違い、また年齢をどこまで含めるかということ、そして回数ということがございました。
 この初めの二つの部分については、前回の委員会の質疑の中でも、やはり財源の根拠がどこにあるかなんということも各委員の皆さんからも質疑があった中で、私自身も、一定この予算の審議をしてきた過程を含めて、政府としてはでき得る限りの受給の金額というものを最大限配慮したというふうに認識をしております。
 ですから、衆法で出されている方に関しては、その財源がいかに確保されるかということは、前回の委員会でも、組み替えの中に実は含んでいたということでありますけれども、一定、国会の委員会の中で審議をされて政府の二十八年度予算というものが可決したということでありますので、一定の財源の見通しがない中でこれは出されているものと思いますので、前回の委員会で我々自民党の会派の委員が質問したことに、ある意味では私自身も同感の思いでございます。
 そこで、三つ目の、回数の問題であります。
 まずは政府参考人にお伺いしたいわけでありますけれども、児童扶養手当の支給回数を、毎月、月一回ですから計十二回支給をするということ、ふやすことになります。まず、確認のためにもお伺いしたいわけでありますけれども、政府としてはどのように考えておられるか、御答弁願います。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 児童扶養手当の支給回数、お話がありましたように、年に三回、四月、八月、十二月、それぞれ、その当該の支払い月の前月までの四カ月分の支払いを行うということになってございます。これは、同じく年三回、二月、六月、十月と支払っております児童手当の支給事務、あるいは自治体におけるさまざまな事務の対応等も考えて、この形で行われているものでございます。
 児童扶養手当の支給回数をふやすということにつきましては、まず一つは、受給資格の認定、特に児童扶養手当の場合には生別母子ということになりますので、事実婚でないことでありますとか、さまざまお子さんの養育関係についての受給資格の確認の事務というのを行わなければならないということ。それから、不正受給等が児童扶養手当の場合に指摘されますので、こういったものについては事実関係の確認ということで、場合によっては現地調査も行うといったようなことを行っているということで、一定、受給に当たって事務があるということ。
 さらに加えて、今申し上げましたように、市町村では、自治体の体制もなかなか厳しいので、児童手当と児童扶養手当を同じ担当が行っているということもございまして、両者の事務が重複しないようにということで全体を調整しているということがございます。特に、毎月支払いということになりますと、例えば七月に申請した方について八月から払うということになりますので、極めて短い間に毎月この事務を行い続けるということになりますので、なかなか市町村の事務が厳しいということになるのではないかと思っております。
 もちろん、支給回数をふやしてという御要望がある、あるいはそういう御意見があるということは私ども十分承知しておりますが、やはり、市町村の事務を確実、適正に執行するという観点もあわせますと、毎月支払いにするというのは、現場の対応等を考えるとなかなか困難ではないかと考えております。

○田中(英)委員 今、現状を御説明いただいたわけであります。
 そういった意味では、今、各自治体が実際のところはこれをやりますので、事務的に窮屈な、タイトな形があるので、そこを配慮すればなかなか難しいというような御答弁であったかなというふうに私自身は思っております。
 だからといって、回数の議論をすることが実はだめだというのでなくして、今日までこれはずっとされてきたことでありますので、ある意味では、自治体の意見も当然ながら聞いていただきたいし、受給されている方々の意見というのもお聞きいただいて、専門家の方々の意見も聞いた中で、本当にどういった形でこの制度の中で運用していくのがいいかということは、恐らくこれからも検討の課題にはなってくるのかなというふうに思っています。
 今回については、政府が提案しているこの部分には回数はございませんので、そういった意味では、今御答弁をいただいたことが大きな理由としてあるのではないかというふうに思っております。
 そこで、衆法の提案者にちょっとお伺いしたいんです。
 児童扶養手当の支給回数、これは毎月にすると十二回になりますけれども、やはりどうしてもかかってしまうのは、お金の部分の自治体のコストと、仕事をしていく労力のコストの部分がかかってくると思います。それについてどのように捉えているかということと、もう一つ、事務的なコストはどこまで見ようとされているのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○初鹿議員 お答えをいたします。
 前回の委員会でも答弁をしておりますけれども、児童扶養手当の支払い回数増に伴うコストアップについては、網羅的に調査をしているわけではございません。
 ただ、前回も委員会で何人かの議員の方が例に出しましたけれども、朝日新聞の記事で、児童扶養手当も自治体の工夫で毎月に近い頻度で支給できるということを述べている大阪府の箕面市の倉田市長に先日お伺いをして話を聞いてまいりましたけれども、その際に市長から言われたのは、毎月支給をしたとしても、それほど必要な経費が膨大にふえるというわけではないというお話でございました。
 また、兵庫県の明石市の泉市長も同様の主張をされておりまして、泉市長は試算まで出していらっしゃるんですね。きのう電話でお話をしました。泉市長も、これは自治体のやりくりの中でおさまるぐらいの範囲であるというお話でしたので、コストアップが膨大になるということではないということだと理解をいたしております。

○田中(英)委員 今、新たな事例も含むとおっしゃっていただきましたけれども、自治体のコスト、私自身も、自分の選挙区に指定都市もあれば中核都市もあって、実は一万五千円ぐらいの市町村もございます。それぞれ実はやはりかかるコストが変わってくるんですよね。
 厚労省なんかに聞きますと、大体、システム改修で百万ぐらいというような平均的なのがありますけれども、例えば京都市、実はシステム改修で大体一千万ぐらいかかると言っています。そこにくっついてくるのは、やはり職員の人の数をふやさなければならないという、これは御承知のとおりでありますけれども、そういったことであります。
 参考までに、京都市、二千七百万ぐらいかかると言っています。そして、端末もひょっとしたらふやさなければならない。借りるのか、買うのか、こんなことも含めると、ざっとトータルで八千万ぐらいかかるんじゃないかというのが、実は、京都市の担当局に聞いたところ、そのようなことが言われています。
 実は、今の御答弁の中に、どの部分まで予算を見ようとしているかという御答弁がちょっと漏れたわけでありますけれども、システム改修の予算というのは、間違いなく、今回の政府が出している案にも地財措置をされておりますので、含まれていると思います。政府の場合は、人件費を含んでくるような作業にはなりませんので、そういったことは含まれていないというふうに私は見ています。
 ただ、回数をふやす場合に、やはりどうしても人の手はふえるというふうに自治体が見ている中で、その部分の予算というものは、自治体に聞くと、国が大きく制度を変えるので、やはり国で見てほしいよねというのが本音の部分であろうかと思います。
 そういったことまで実は考えていただいて今回の衆法というものを出していただいたかどうかということを、先ほどのちょっと答弁漏れがあった部分で、どこまで見るのかということを含めて御答弁いただければありがたいです。

○初鹿議員 支払い回数に伴う事務費用ですけれども、当然、一人親家庭の支援をするためということでありますから、国及び地方公共団体が負担していくべきものだと思います。
 人件費については、地方自治体については地方財政措置で交付税措置がされているというふうに理解をいたしております。

○田中(英)委員 今ので、自治体が見るべきだというその御答弁で、一応私の方では認識を持たせていただいて、回数に関しての議論については、またこの間いろいろと議論をしていく中で、そういう御答弁であったということをちょっと頭に置かせていただきたいと思います。
 それでは、次に進ませていただきます。
 今回、回数がふえるということは、実際、受給される方々のサービスの向上という観点もあれば、先ほどから政府の方からも御答弁があるとおり、月一回にすると事務的にどうしても煩雑になってしまう、ひょっとしたら手違いが起こってしまうなんということが予測されるわけであります。
 お聞きすると、現在の、今のルールの中でやると、いろいろと網が張られているので、ほぼほぼそういった手違いは起こらないというふうになっているわけです。そういった、まず初めに現況届というものを出していただいて、それを一カ月間大体集めて、三カ月かけていろいろと調査をするということになってくるんでしょうけれども、やはり一カ月になると、回数がふえるとどうしても煩雑になるんだろうなということは、これは推測はどうしてもついてしまうと思うんですね。
 ここで、これは政府また提案者の方々双方に聞いて判断材料にさせていただきたいと思いますけれども、実際、サービスを向上させようとしてやって、例えば事務的な部分で煩雑になって、手違いが起こって、受給される方々にも改めてまた手続に行っていただかなければならない、もしくは、この事務を担当する自治体の方も、その手続に際して、いろいろと本来の業務以上のことをこなしていかなければならない、このように考えたときに、果たしてどちらがサービスの向上につながるのかなというふうに実は私自身は考えました。
 ですから、これは政府の見解と、それから衆法を出されているそれぞれの見解が違うかもわかりませんけれども、その双方の見解をお伺いしたいと思います。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 児童扶養手当でございますが、御案内のように、これは国の法律に基づいて、法律で決めた金額を受給者の方にお支払いするというものでございます。その意味では、全国一律で公平公正に、確実に実行するということが恐らく求められるというふうに思っております。
 支給回数の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、現行の支給回数はこういった考え方でつくられております。ふやすということになりますと、先ほど御答弁申し上げましたように、毎月支払いは相当な負荷が自治体にかかることになります。事務的にも相当タイトな事務を行うことになりますので、どのくらいふえるかと申し上げられませんが、市町村的にはやはりミスが起こる可能性は高くなるということだと思います。
 それからもう一つは、間に合わないと、いわば、おくれ払い、我々は随時払いと言っていますが、通常の支払いとは別ルートで別途個別にお支払いするという作業を行うことになりますので、いわば手作業がふえるということにもなりまして、その意味でも事務量が非常にふえるということと、ミスが大きくなるという可能性があるということで、適正な事務を行うという観点からしますと、支払い回数をふやすという御議論があるのはよくわかっておるんですけれども、やはりそこは、適正な事務の執行という観点ではなかなか難しいのではないかと思っております。

○西村(智)議員 御質問いただき、ありがとうございます。
 初鹿委員が倉田市長のところにもヒアリングに行かれた際に、既に住民票の手続などは電算化されていて、ほとんど事務手続はふえないというヒアリングを行ってこられております。
 また、私たち、これに伴って、例えば支給回数をふやすことに伴って事務費がどのくらいふえるのかということ、これはやはり関心を持っておりまして、厚生労働省にこの間ずっと照会しておりましたけれども、積み上げ方式での事務費というのが一度たりとも出てきたことはございません。そのことは申し上げたいと思っております。
 また、サービスの低下ということなんですけれども、児童扶養手当は、そのものがやはり一人親世帯の福祉の安定、福祉の増進、これを目的としているものですから、そこをやはり基本線を守っていかなければいけないだろうと思っておりまして、今回の支給回数の増加ということについては、一人親家庭の当事者の皆さんや貧困問題に取り組んできた方々の強い要望があります。また、最近の行動経済学などの研究成果によれば、毎月支給とする方が家計管理がしやすい、生計の維持にも役立つということが明らかになっております。
 こういう中で、事務手続上の理由から現在の年三回の支給を維持しようというのは、本末転倒ではないでしょうか。一人親家庭等の福祉の増進を図るという児童扶養手当の趣旨に反することになると危惧いたしております。
 先ほどの箕面市の倉田市長は、児童扶養手当も自治体の工夫で毎月に近い頻度で支給できると述べておられます。毎月支給とされている公的給付もありますので、児童扶養手当を毎月支給としても、それに伴うサービスの低下は見込まれないと考えております。

○田中(英)委員 時間ですので、最後になりますけれども、現段階においては、今御説明も双方からいただきましたが、確実に手元にお渡しするということ、そして間違いがないようにするということがやはり大切な部分であろうかというふうに思っておりますので、私自身は、今、政府の答弁の方でしっかりとやっていただく。
 ただし、以前も、公明党の皆さんからもそういった回数の話はあったともお伺いしました。ですから、しっかりと、そんなことも含めての議論はこれからもなされていくことであろうかというふうに思っております。
 ただ、やはり財源のこの部分というものは大切な部分であろうかと思いますので、そういったことも含めてやって、しっかりとしていかなければならないということを最後に申し述べさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○渡辺委員長 次に、福山守君。

○福山委員 自由民主党の福山守でございます。
 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 冒頭に、このたび地震で大変な被害を受けました熊本県、そして大分県、また九州地方の皆様には、本当に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興復旧を我々一丸となってなし遂げなきゃいけないということを誓いまして、私の質問に入らせていただきます。
 まず、きのうですかね、保育施設での死亡事故あるいは重大事故というのが発表されておりましたけれども、これについて、この理由はいかになっているのか、そのあたりをまず述べていただきたいと思います。

○福山委員 今御説明いただきましたけれども、死亡事故、これは十四件、このうち、たしか、新聞に出た報道によると、無認可が十件ですか、認可が四件ですね。その他、ずっと、五年、十年さかのぼって、平均したら十六、七人の死亡事故が起こっておるということです。
 私は何が言いたいかといいますと、今、保育園の問題が物すごく出ております。こういう、待機児童問題が出ている、保育園問題が出ている中で、しっかりとした体制の中でこの保育問題というのに取り組まないと、死亡事故が起こったら大変なことになります。大きな事故というのは、一日一件は必ず起こっているんですね。これは、骨折とか、かなり大きな事故でございます。
 そういうことも含めたら、この待機児童問題もかなり慎重に、もちろんこれは、運営の方はそれぞれ市町村の方でございますけれども、何か事があればやはり国の方に上がってきますから、非常に大きな問題があると思っております。そのあたり、しっかりと私は体制を考えていただきたい。それについて御答弁をいただきます。

○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 福山委員御指摘のとおり、安易に保育施設をふやすことによって重大事故が発生する、こういうことがふえないようにすることが大切でございまして、しっかりと指導をしていきたい、このように考えております。
 あと、重大事故の再発防止の取り組みにつきましては、内閣府等とともに設置いたしました専門家による検討委員会におきまして議論を行いまして、昨年の十二月の最終取りまとめを受けまして、ここで、重大事故の予防や事故発生時の対応に関するガイドラインを作成させていただきまして、さらに、重大事故の再発防止のための地方自治体による事後的な検証の実施に係る通知を出させていただきました。
 あわせまして、指導監督におきましては、ガイドラインにおいて、児童の生命等に重大な被害が生じるおそれがある場合は、指導監督におきましては、事前通告なく行うことを適切に判断し、効果的な運用をすること、また、検証の実施に係る通知におきましては、事前通告のない指導監督等の実施を求めさせていただいております。
 また、これらの取り組みに加えまして、国におきましても、事故報告の傾向の分析や再発防止の提言等を行うために、内閣府に四月にも有識者会議を設置する、こういうふうに決めさせていただいております。
 今後とも、自治体と連携をさせていただきまして、認可保育園等における重大事故の発生や再発防止に積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。

○福山委員 小さな子供たちのために、乳幼児のために、しっかりした体制をよろしく、悲惨な事故は大変な問題でございますので。
 私は、この待機児童問題というのは、次にどこに来るかといえば、学童保育に来ると思っております。
 実は、学童保育、この制度ができてもう約三十年近くになろうかと思うんです、二十八年ぐらいかな。私は、二十六年前に私の地元で学童保育をつくりまして、今でも実は運営委員長を務めております。
 この問題がどこにあるかというと、やはり一番難しいのは、公設公営、この場合が約四割弱、三八%強ですけれども、四割弱あるんですね。この場合だと、運営も何もかも公としての立場でやっていただけるので非常に楽なんです。ところが、公設民営、これが厚労省のデータによると四四%あるわけですね。それは全体でその数ですけれども、あとは社会福祉法人とかいろいろな形でやっていて、トータルで一〇〇になるんです。
 そういう中で、公設民営、いわゆる父兄会あるいは運営委員会、地元の人が運営するやり方というのが全国で約四分の一強あるんです。
 これは、子供たちを預けた父兄が、それをまた同じように自分たちがその運営も、うちの、私が運営委員長をしているところは百人ぐらいおるんです。大変なんです。それを今、二つ、第一学童、第二学童と、制度的に変わりましたので、それをやらせていただいて、やっておるんですけれども、その父兄たるや、二千万以上のお金も扱わなきゃいけない、そして、事故の心配もしなきゃいけないという大変な思いをしてやられております。
 こういうことについて、やはり地域性が物すごくあるんです。例えば、私の地元の徳島市であれば、九八%が公設民営で、父兄会運営がほとんどなんですね。たまに社会福祉法人が、二つぐらいあるんですけれども、あとは全てそうなんです。やはりこういうことも考えたら、地域性で、では、四〇%弱の数字の公設公営というのがどうあるか。それは、その地域というのは、すごく偏りがあると思うんですね。
 だから、こういうことを、父兄の負担も考えた中で、ぜひともそういう指導を、これは基礎自治体の市町村がやるのも私はわかっておるんですけれども、やはりそういう指導、方向をつくっていただきたい。いかがでしょうか。

○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 今委員のお話にありましたように、いろいろなタイプがございまして、公立公営、公立民営、民立民営といろいろなタイプがございます。
 その中で、平成二十七年度の時点では、全国の放課後児童クラブが二万二千六百八ございます。このうちの公立民営タイプが三千五百五十五カ所、民立民営タイプが千四百四十四カ所ということで、両タイプ合わせて四千九百九十九カ所となっております。これは、全体の二割強が運営委員会や保護者会等による運営ということになっております。先生の御地元の徳島市は八六・七%がこういうタイプということでございます。
 ということで、運営委員会や保護者会による運営は、地域の事情、こういったものを吸い取っていただきまして、そして地域の皆さんの深い理解のもと運営ができている、こういうメリットもありますけれども、ただ、運営に関しましては、おっしゃるように、地域住民や保護者の方々に過度の負担をかけてしまう、こういったこともありますので、こういう状況は余り好ましい状況ではございませんし、大切なのは、やはり安定的に経営基盤と運営体制を整えていただくこと、要するに継続していくことがとても大切でありますので、ここをしっかり押さえておくことが重要だ、このように考えております。
 ということで、自治体の担当者が参加する会議等の機会を捉えて、自治体としっかりコミュニケーションをとっていただきまして、地域住民や保護者の方々による運営が過大な負担とならないように、運営形態や委託先の検討など、継続的、安定的な確保ができるような体制づくりを心がけていきたい、このように考えております。

○福山委員 どうかしっかりとした方向をつくって、公設公営ということをやっていっていただきたいと思います。
 最初の質問と絡んでくるんですけれども、一番最初にちょっと御答弁いただきましたけれども、学童保育の事故もかなり多いんですね。特に、小学生の子供で死亡事故というのはほとんどないんですけれども、骨折事故とか、やはりけがが非常に多いということでございます。
 大規模な学童保育の場合、先ほど言いましたように、私どもの、最初九十人ぐらいまでいったときに、その当時、今から八年近く前だったと思います、学童を二つに分けてもいい、第一学童、第二学童、そういう制度ができて、今そういう形でやっておるんですけれども、そのときでもう九十までいったから、大変だと。
 今は非常に少子化が進んでおりながら、やはり入ってくる子供がいる。そして、それまでは障害者以外の子供たちは児童ということで三年だったんですけれども、二十七年度から、四年生、五年生、六年生までいいよということになったわけですから、当然数がふえてきたわけなんですね。そうなってくると、もう百人を超えておるんです、実は。これだけの大きなところで、やはり、グラウンドは社会体育の子供たちがやっておるから、なかなか外で遊ぶ機会も少ない。それで、どうしようもなかった。もう大変な思いをしているんですね。
 そういう中で、それだけの大規模になった学童保育に対して、第一、第二、そして、私は今、第三といいますかね、これが不定期になるのであれば、もちろん空き教室の有効利用ということも考えておりますけれども、こういう点についての厚労省の御負担とか、そういう形はいかがでしょうか。

○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 放課後児童クラブにおきましては、省令の方で、子供が相互に関係性を構築したり、一つの集団としてまとまりを持ってともに生活したりということで、放課後支援員が個々の子供と信頼関係を築いたりできる適正な規模という観点から、支援の単位をおおむね四十人以下とさせていただいております。
 ということで、支援も、大規模のままで運営するよりも、小規模にしていただいた方が手厚くできるような水準を設けさせていただきまして、運営費への国庫補助を行うようにさせていただいております。
 また、支援の単位を分けるために施設の改修等、要するに、小規模にするために改修等を行った場合の、既存施設を活用する場合の改修補助費とか、あと、新たに整備する際に施設の整備補助、こういったものも用意させていただいておりまして、なるべく適正規模で放課後児童クラブが設置できるように促していきたい、このように考えております。

○福山委員 今の御答弁、ありがとうございました。
 私ども、そういう中で、子供たちがゆとりを持つ中でやっていただけるように、第三学童保育というのも考える。
 ただ、副大臣、運営の話が今少し出ましたけれども、第一学童だから、第二学童だからと分けてやるのは違うんですね。これも、実際はもう合体してうちはやるわけなんです。だから、先ほど言った、公設公営の大切さがあるということなんです。
 だから、私は、そういう、自分が長いこと、最初、設立した当時からのその思いで、いろいろな形で御父兄の方にも負担をかけてきた。私も一緒に汗をかいて、建物をつくるときから、いろいろな清掃活動を始めて、いろいろな形でいろいろな必要な経費をつくりました、堤防の草刈りも含めて。やはりそういうことを私はいろいろ自分で経験してきただけに、これを早くどうにかしていただきたい。
 そして、父兄の負担が、自分も子供を預けているんだけれども、そういう中で自分が責任を持たなきゃいけない、そういう負担が物すごく大きいんです。
 だから、そういうことを、公設公営という形ができるように、しっかりした指導をよろしくお願いいたしたいと思います。
 いろいろ御質問いたしましたけれども、どうかよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。