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190-参-厚生労働委員会-12号 平成28年03月31日

○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 三月二十二日のこの厚生労働委員会で質問させていただいたことがまあちょっと行き違いがあったというふうに思っておりまして、もう一度質問をさせていただきたいというふうに思います。
 特定求職者を対象とした求職者支援制度でありますけれども、この事業、前にも申し上げましたけれども、雇用保険の失業給付を受給できない求職者に対して、給付金の支給や無料の職業訓練を実施するものでありますけれども、この制度における独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、JEEDでありますけれども、人件費の予算約三十二億円について、その対象人数何人か、まずお伺いしたいと思います。

○副大臣(とかしきなおみ君) 済みません、委員会でちょっと行き違いがありましたこと、まずはおわびを申し上げたいと思います。
 そして、質問のことについてお答えさせていただきます。
 使途を定めない一括した交付金により運営を行うという独立行政法人制度の考え方から、この御指摘の人件費予算額の三十二億二千万円につきましてはその対象の人数をお示しすることは困難でありますが、仮に求職者支援制度が創設された平成二十三年度の予算における積算上の人数と同一であると、こういうふうに考えたとすれば三百三十三人となります。

○東徹君 JEEDの決算ベースの人件費はどの程度になって、その対象人数は何人になりますか。

○副大臣(とかしきなおみ君) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が行う求職者支援訓練の認定業務を行う職員の人件費につきましては、平成二十六年度の決算によりますと、決算額二十五億九千万円が二百六十人を対象として支払われております。

○東徹君 ここで、その決算額二十五・九億円、二百六十人、これに退職手当ですよね、これが含まれているんですか、どうですかということを前回お聞きしたくて、ちょっとそこが食い違っていたわけですけれども、その金額には退職手当というのは含まれておるんでしょうか。

○副大臣(とかしきなおみ君) 先ほど御答弁させていただきました二十五億九千万円には退職手当は含まれております。

○東徹君 この求職者支援制度について、この人件費という積算の中には退職手当までも含まれて給付、給付というか交付されているということですね。まあそのことをお聞きしたかったんです。
 さらに、短期集中特別訓練事業についてお伺いします。これも、大変しつこくて恐縮なんですが、私も別にしつこい性格ではないんですけれども、国民からいただいた貴重な税金の使い方をチェックしていくということが政治の役割だというふうに思っておりまして、今日もちょっとこの点について質問をさせていただきます。
 先日、塩崎厚生労働大臣に、この間、訓練の認定業務、これ非常に高いじゃないですかということで、これはもう是非調査してくださいということでお願いをいたしました。
 今日、皆さんにお配りをさせていただいています資料でありますけれども、当初、三万二千四百人の人数を想定しておったけれども、実際には一千六百八十一人という、たった当初の想定から比べれば五%になっておるわけですね。五%になっているんです。にもかかわらず、予算額でいくと、全体額は当初は百四十八・六億円だったんですけれども、実績からいくと、今回十五・三億、要するに、予算から比べると一〇%、受講者の実績は五%、でも予算としては一〇%になっていると。
 何が問題かというと、その十五・三億円のうちの認定業務に係る費用、東京リーガルマインドとかランゲートとか、そういったところに支払う金額が、十五・三億のうちの十・一億がそういったところに払われるということで、非常に認定するのにこんなにお金が掛かるんですかと、これがちょっと問題で質問をさせていただきました。
 今回、その調査をお願いしました東京リーガルマインドとランゲートの二社に支払われるお金、約九・五億円の訓練認定業務に関する費用、どのような内容だったのかを確認させていただきたいと思います。

○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 訓練認定業務九・五億円の内容につきましては、人件費が四・九億円、事業費等が三・九億円、消費税が〇・七億円となっております。
 この事業費等三・九億円の内訳として主なものを額の順に申し上げますと、広告費が一億三百万円、事務所賃貸費が八千五百万円、一般管理費が七千九百万円、機器借料が三千五百万円、それから派遣費が二千四百万円、旅費が二千万円、回線等工事費が千三百万円などとなっております。

○東徹君 これが今日皆さんに資料をお配りさせていただいた二枚目の資料であります。
 昨日、遅い時間に、一般管理費がちょっと数字が違っていましたというようなことでやり直しをさせていただいたわけでありますけれども、人件費が四億九千万円ということで払っておるわけで、事業費が三億八千五百万円、消費税が七千万円、トータル九億四千五百万円となるわけですけれども、この事業費の中で一般管理費という七千九百万円、この一般管理費というのは一体何なのかなと思うわけですね。この一般管理費というのは何なのか、この算出根拠、これをまずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 業者が委託事業を実施するに当たっては、事業に要した経費として特定できる経費のほかにも、例えば本社の経理部門などで本事業を含めた企業全体の会計処理などを行う者の人件費や事務費など、委託事業に要した経費として直接切り出すことのできない間接的な経費も発生するわけでございます。こうした経費につきましては、具体的に積算することが困難であることから、受託者が通常行う事業における間接的な経費の割合を勘案し、事業費と人件費の合計である直接経費の約一割がそれに当たると整理して、その額を一般管理費として計上しているところでございます。

○東徹君 これ、人件費として別に払っておるわけですよね。しかも、これは本当に認定した数も、そしてまた実際受講された人数も非常に少ない中で、この一般管理費七千九百万円、これ、本当に妥当なんですかと、こう思うわけですよね。これ、恐らくこの金額、妥当じゃないと思いますよ、これは。
 次に、ちょっと質問をさせていただくと、旅費二千万円ですけれども、各都道府県に事務所が設置されているわけですよ、この東京リーガルマインドも。そんな中で旅費二千万って、これは掛かるわけないじゃないですか。

○政府参考人(宮川晃君) 旅費の内容についてでございますが、旅費につきましては毎月掛かった経費を確認した上で精算しておりますが、その用途といたしましては、訓練実施機関の開拓のための事業所訪問や業界団体の訪問、認定申請を行った訓練実施機関への現地調査、訓練実施機関に対する訓練実施状況の調査などがあると承知しております。

○東徹君 これ、調査していると言うけれども、一つ一つ、一件一件、領収書があって調査しているわけじゃないわけでしょう。これ、二千万の旅費って、本当に訪問するのに掛かりますかということですよ。
 もう一つ聞かせていただければ、回線等工事費一千三百万円、電話ってそもそもあるわけだと思いますしね、我々もよく選挙事務所つくったら電話回線とかよく引くので分かっていますけれども、これ一千三百万円ですよ、回線等の工事費。何回線まずこれ対象となっているのか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(宮川晃君) 回線等工事費約千三百万円のうちの回線工事費の対象となります回線数は合計四十回線でございます。

○東徹君 四十回線で一千三百万円といったら合わないじゃないですか。

○政府参考人(宮川晃君) 回線等工事費の中身には、回線工事費のほかに原状回復費として事務所の原状回復の工事費も含まれております。
 回線工事費自身は約五百八十万円となっておりまして、四十回線でございます。

○東徹君 いや、おかしいじゃないですか。
 原状回復って、それはまあ当然だと思うんですけれども、原状回復というのは電話回線付けて、後、取るということだと思うんですけれども、それにしても高過ぎますって。これは多分ここにおられる皆さん、こういう電話回線引いている経験があると思いますから、こんな金額出てこないですよ、出てこないです。四十回線引くのに一千三百万円って、これあり得ないと思いますよ。
 あと、これ人件費四億九千万ですけれども、これ対象人数何人ですか。

○政府参考人(宮川晃君) 本事業におきましては、人件費について、毎月掛かった費用を精算する仕組みとしておりまして、毎月の精算時における人数を足し上げると、合計で延べ二千三百二十五人月となるところでございます。

○東徹君 これ二千三百二十五人ということですけれども、年単位に換算すると、これ百九十四人になるんですよ、百九十四人。いいですか、百九十四人、間違いないんですよね。

○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、二千三百二十五人月を割り戻した数字ということで御理解いただければと思います。

○東徹君 じゃ、一方で、この事業について九百二十七コースが認定されておって、そのうち六百九十九コースが東京リーガルマインドやランゲートという訓練認定機関によって設定されておるわけですけれども、この申請された九百二十七コースをさっき私が言いました百九十四人で割りますと、一人当たり一年間で四・八コースの申請を受けたことになるわけですね。一人当たり一年間で四・八コース、たった四・八コースですよ。これに四・九億円掛かっていて、しかもこれとは別に一般管理費七千九百万円、さっきも言いましたけれども、事務所賃貸費八千五百万円。事務所元々あるじゃないですか、これ。そもそもですよ、そもそも事務所があるのに事務所賃貸費八千五百万円、機器借料三千五百万円って、機器ってコピー機とかそんなもんでしょう。当初からコピー機なんてどこの事務所にもあるはずですよ。それなのにこれ三千五百万円。さっき言った電話回線一千三百万、通信費、これは電話だと思いますけれどもこれが九百万とか、消耗品費が七百万とか。
 派遣費ってこれまた分からないんですけれども、派遣費って何ですか、これ。

○政府参考人(宮川晃君) 派遣費と申しますのは労働者派遣を受け入れた派遣業者に対する支払費でございます。

○東徹君 ということは、これは人件費以外にここにも人件費が出てきているということですか。

○政府参考人(宮川晃君) 先生御指摘のとおり、人件費以外に、いわゆる派遣労働者を派遣してもらった派遣元に対する費用として払ったものでございます。

○東徹君 もうこれ、もう時間ないですから最後にしますけれども、塩崎厚生労働大臣、これ本当にこういったいいかげんなお金の支払い方をしていたら駄目ですよ。これ、国民からいただいた貴重な税金ですから、こういうことを絶対ないようにしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、これは一般会計、税金が投入をされているわけでありますが、この事業自体は既に終わってはおりますけれども、議員から今御指摘をいただいた数々の点については、今後こうした御批判を受けることがないようにコストを十分意識して、地域の訓練ニーズを、特に雇用保険の対象外の方々についての職業訓練について適切にニーズを反映をした訓練内容、あるいは計画数、そしてコスト意識を十分持って改善をしなければいけないというふうに思ったところでございます。

○東徹君 これ元々、このお金がJEEDに行くはずだったお金なんですよ。だから、元々がすごく高いんです。これもう是非、こういったことのないように是非よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、資生堂御出身のとかしき副大臣に、化粧品の動物実験廃止へ向けた我が国の取組についてお聞きをしたいと思います。
 二〇一三年三月、EUは、化粧品のための動物実験の実施と動物実験が実施された化粧品の販売の両方を禁止をしました。同じような化粧品の動物実験の完全禁止はその後イスラエル、インドにも広がっており、その他の国や地域でも類似の禁止を掲げる法案の提出が相次いでおります。美しさのために動物を犠牲にしないでという運動は一九八〇年代から世界的に盛り上がりを見せてきましたが、今や法規制の形を取って世界中に広がりつつある状況です。
 日本はどうかといいますと、EUが動物実験を完全禁止した直後に、とかしき副大臣がいらした資生堂が化粧品分野での動物実験を廃止をされています。その後、マンダム、コーセー、ポーラ、メナード、花王、ロート製薬、富士フイルムと、日本でシェアの高い企業が次々と化粧品分野での動物実験の廃止を公表をしてきました。これは国民の関心が高まっていることのあかしでもあり、企業が国際状況に対応していかなければならないことの表れでもあります。
 日本の化粧品会社がEUに輸出するには動物実験やっていないということが必要なわけですし、しかし、一方で、日本の規制上、化粧品の開発目的で動物実験を行っていても国は把握する手段を持っておらず、実態は不明です。動物実験を新たに行った化粧品が市場に流通していないと胸を張って言えるようにするためには、日本においても原則禁止のルールを打ち出す必要があると考えます。いかがでしょうか。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 私も、この問題に対してはすごく会社員のときからかなり問題意識がありまして、ちょうど私も在職しているときに動物愛護団体の方が会社にお越しになりましてお話をさせていただいた経験もございまして、その結果あって、会社の方も積極的にこの問題に取り組んでいこうということで、今、代替試験の方をいろいろ開発させていただいております。
 ということで、今、国の状況の方を御説明させていただきますと、化粧品の開発に当たりましては、動物を用いない代替法にすることが可能なものにつきましてはできる限り置き換えていくことが重要であると、このように考えております。このため、一般的な化粧品におきましては、医薬品医療機器法上、製造販売の届出に当たりましては動物実験のデータの提出を求めないことと今もしております。ただし、医薬部外品に当たるいわゆる薬用化粧品の承認申請に当たりましては、OECDテストガイドラインとして採択された代替法の試験の結果があれば動物実験のデータは求めないこととしております。
 とはいいながら、一方では、人での使用経験がないような新規の有効成分を含有する薬用化粧品の場合は、現在確立されている代替法のみでは安全性を確認できないということで、この場合には最低限必要な動物実験を求めているのが現状でございます。
 ということで、厚生労働省といたしましては、平成十七年に、民間企業、大学及び公的機関等が開発した代替法の評価を行う日本動物実験代替評価センター、JaCVAMを設立させていただきまして、代替法に関するガイドラインの整備やその他の利用促進を推進させていただいております。
 これ新しいニュースなんですけど、昨年の十一月に、鶏の目、要するに、例えば肉食で使ってしまった、死んでしまった鶏の目を使って、眼刺激性試験の代替法に関するガイドライン、これを通知させていただきまして、これも用いていただけるような環境を整えております。
 ということで、今後ともこうした取組を推進して、どうしても動物実験を実施するというのは少しでも減らしていって、動物の苦痛を、そして数を減らしていくように代替実験法を開発するよう一層の努力を行っていきたい、そしてOECDのガイドラインの中で日本から提案できるような新しい代替法を積極的に取り組んでいけるように頑張っていきたいと考えております。
 以上です。

○福島みずほ君 私は、これ原則禁止にして、将来、何もやってこなかった新しい成分を検査する必要があった場合は例外的に認めるとして、やっぱり日本は禁止をしているのだと、EUのように、一歩進めていただきたいと思います。これは是非、ヨーロッパではもう実現しているわけですし、もうこれ世界中に広がっていますので、日本でやれないわけはないと。副大臣、これは是非副大臣のときに実現をしてください。よろしくお願いいたします。
 次に、公契約条例と公契約法についてお聞きをいたします。
 公契約条例をどう見ているか。今、各自治体で広がっておりますが、我孫子などの条例などをどう見ていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(山越敬一君) 公共事業等において適正な労働条件が確保されることは重要な課題であると考えております。
 お尋ねのありました公契約条例でございますけれども、現在、千葉県我孫子市や兵庫県加東市など一部の市あるいは区において制定されていると承知をしております。
 こういった公契約条例の制定につきましては各地方自治体の御判断であると考えておりますけれども、その状況につきましては厚生労働省としても今後とも注視をしてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 最低賃金上げろという質問をずっと国会でやっておりますが、主張と、公契約条例は同じような役割を持つ。その地域での賃金をきちっと担保し地域経済に寄与できる、ダンピングやそういうので公共事業が行われないようにすることができるというので極めて有効だと思います。
 公契約法を作る、これはいかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、かねてからの御持論であろうかと思いますけれども、国や地方公共団体が発注する契約で労働者の適正な賃金が確保されるということは極めて重要な課題であるわけでありますが、一方で、公契約法という御指摘、考え方に関しては、最低賃金法等とは別に賃金等の基準を法律で新たに設けること、こういうことになりますので、そうなると、まず本来、賃金等の労働条件は労使が自主的に決定することが原則、そして予算の効率的な執行とか契約の適正化を図ることも必要であることから、法律の制定には慎重な検討が必要なのではないかというふうに思います。
 一方で、働く方の賃金を確保することはもちろん重要でありますから、安倍政権においても最低賃金を三年連続で引き上げて、合計約五十円、大幅な引上げを行ってまいりました。
 厚労省としては、昨年の十一月の一億総活躍の緊急対策において、年率三%程度をめどとして、名目GDPの成長率にも配慮をしつつ引き上げていく、これによって全国加重平均が千円となることを目指すとされたことを踏まえて、最低賃金の具体的な水準を審議する最低賃金審議会、ここにおいて緊急対策を踏まえた審議を求めてまいりたいと思っております。

○福島みずほ君 国土交通省、厚生労働省は、建設労働者の賃金について実態調査をしたことがありますか。

○政府参考人(小川誠君) お答え申し上げます。
 厚生労働省では、賃金構造基本統計調査におきまして建設業における現場作業従事者の賃金を毎年把握しておりまして、直近の平成二十七年調査では所定内給与額が二十九万円となっております。

○政府参考人(木暮康二君) 国土交通省におきましては、建設業法に基づきまして下請取引等実態調査を実施しておりまして、その中で技能労働者の賃金水準の引上げ状況について確認をしております。
 平成二十七年度の調査におきましては、引き上げた又は引き上げる予定と回答した建設業者が六八・六%となっております。

○福島みずほ君 ただ、厚生労働省の調査でも一〇%の低い水準、しかもこれが十人以上の事業所に雇用されている常用労働者なので、実態はこれよりもはるかに低いというふうに思います。
 国土交通省にお聞きしますが、それぞれの建設現場における人たちの、では平均賃金どれぐらいなんですか。

○政府参考人(木暮康二君) 国土交通省そのものにおきましては、賃金の水準そのものを直接把握してはございません。

○福島みずほ君 だから、厚生労働省がやっているのはちょっと不十分ではないか。それと、国土交通省は現場の賃金を調査したことはないんですね。これは是非やはり調査をする必要があるのではないか。
 公共事業における建設労働者に特化した実態調査をしたことは、厚生労働省、国土交通省、ありますか。

○政府参考人(小川誠君) 賃金構造基本統計調査は産業を問わず幅広く調べているということもございますので、特化はしておりません。

○政府参考人(木暮康二君) そのような特化した形での調査というのはしたことはございません。

○福島みずほ君 国土交通省、これ、現場の建設労働者の賃金あるいは公共事業を受注した場合の賃金について国土交通省として調査をしていただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(木暮康二君) これは私どもの、何といいますか、現場の職員の状況その他もございますので、この場ですぐお約束するということはできませんけれども、いずれにしても現場の状況の把握については努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 これはもちろんサンプルでもいいんです。でも、今日の答弁で、国土交通省は建設現場の人の賃金や公共事業を受注した場合の賃金について把握していない、実態調査していないということなわけですよね。じゃ、公契約条例や公契約法が果たして本当に必要かどうかということ分からないじゃないですか。この実態調査、それを是非やっていただきたいと思います。
 公共事業を受注する企業は法定福利費をちゃんと払っている必要があるとされていますが、チェックはどのようにしているんでしょうか。

○政府参考人(木暮康二君) 私どもは、公共事業に限らず、社会保険の加入に関する下請ガイドラインというものを持ってございます。これを昨年の四月に改訂いたしまして、元請企業が下請企業に対して法定福利費を内訳明示した見積書の提出を求めるというふうな記載を盛り込んだところでございます。
 昨年十一月、建設企業三千社に対してこの見積書の活用状況について実態調査を行ったところでございますが、下請企業のうちほとんど又はおおむねの工事で注文者に対し見積書を提出していると答えた企業は約四五%というふうに把握しております。

○福島みずほ君 これは、例えば元請があって、第一次のところでチェックをする、あるいは施工台帳で払っているかどうかをチェックすると。でも、書類でそうなっていたとしても実際は支払われていない場合があります。施工台帳で社会保険の適用があるとなっていても、社長と事務員さんだけが適用があって、実際に現場で働いて、建設労働者には社会保険未加入という場合があります。
 現場でしっかりこういうものが払われているのか、元請の法定福利費の金額がしっかり現場に下りているかどうか、その実際のチェックというのはどうなんでしょうか。

○政府参考人(木暮康二君) 私どもは、企業単位だけでなくて労働者単位での加入、これも非常に重要だと考えておりまして、実はその下請ガイドラインの改訂に併せまして各業界団体におきまして作業員名簿の様式の改訂もやっていただきました。この作業員名簿の欄に社会保険の加入を書いていただく、具体的にはその下四桁の番号まで書いていただくというところまでの様式の改訂をお願いいたしまして、今運用がされておりますので、その名簿で確認をするということを指導しております。

○福島みずほ君 名簿上は払っていることになっているけれども、本当に現場でやっているのか。今日のことでも、厚労省それから国土交通省、現場の実態に応じた調査ってちょっとできていないと思うんですね。是非、とりわけ国土交通省、現場の労働者に法定福利費が本当にしっかり下りて払われているのかチェックをお願いしたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(木暮康二君) 私どもは、直轄でやる場合とちょっと民間の場合とで確かにやり方が違うところがございまして、直轄の場合にはかなり把握が進めやすいというようなものもございます。
 いずれにいたしましても、現場の状況については、社会保険の加入の状況、私どもの下請取引の調査もございますし、労務費の調査というものもございますので、その中で現場がどのように動いているかについての把握を進めてまいりたいと思っております。

○福島みずほ君 元請は下請企業において法定福利費が適正に支払われていることを担保する責任があると思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(木暮康二君) 先ほど御紹介しましたガイドラインにおきまして、私どももその法定福利費の支払について記載しております。これは見積書の提出だけではなくて、支払についても記載をしてございます。特に建設業法におきましては、通常必要と認められる原価というのは第十九条の三にございますけれども、これはきちんと支払わなきゃいけないと書いてございまして、そういうことも含めてガイドラインに明らかにしております。

○福島みずほ君 今日、書面上やっているとか確認しているということなんですが、本当に現場でそうなっているのか、今まで調査をしていないということなので、是非、厚生労働省、国土交通省、調査をしてくださるように、よろしくお願いします。
 ほかのこともちょっと聞きたかったんですが、時間ですので終わります。よろしくお願いします。