186-参-厚生労働委員会-23号 平成26年06月19日
〜 (略) 〜
○足立信也君 民主党の足立信也です。
寺西さんはまだお見えで、お聞かれになっていますから、私申し上げたいんですけど、去年我々が作った過労死をこの国からなくすんだという法案に比べて相当後退していると私は思っています。
その理由がどこにあるのかというのは、先ほど馳さんの答弁である意味分かったような気がしました。それは、日本に対する勧告を誤解しているということです。一つは、本人いなくて言うのも申し訳ないですが、馳さんはILOの勧告と言いましたが、これ国連社会規約委員会の勧告です。
それから、その内容は二つあるんですよ。過重労働による死、そして職場における精神的嫌がらせによる自殺、この二つを問題にしていて、過重労働による死については労働時間法制をきちっと守らせるように制裁をきっちりすると、労働時間法制を守らせるということを言っているんですよ。そして、職場でのあらゆる形態の嫌がらせ、さっきパワハラの話、津田さんから出ました。これについては、防止を目的とした法令、そして規則を採用すると。これは、我が党の石橋委員も、それから私もこれ申し上げました。
それを、何となく過労死、委員会で、彼もILOと言っていましたが、それで言われたから、何となく名前が入ったものだけ作ったと、そういう形になっているんじゃないでしょうかね。私は、物すごく後退している、それが調査研究が目的になってしまっている、この国から過労死をなくすんだという強い寺西さん始め家族の方の思い、それからそれを受け止めた国会議員で作ってきた法案の方がはるかに良かったと、私はそう思っています。
私は、二つの法案を担当ですので、その件については私の今所見を述べさせていただきました。
医療機器の法案について聞きます。
提出者にお聞きしますが、この法律案の医療機器というものは、再生医療等製品は入っていないんですか。
○衆議院議員(上野ひろし君) 提案者といたしましては、本法案の医療機器に再生医療等製品が含まれるとは考えておりませんが、薬事法等の一部を改正する法律で新たに再生医療等製品という概念ができたことを踏まえて、再生医療等製品についてどのような扱いをすべきか、今後御議論いただくものと考えております。
○足立信也君 法律に定義が書いてないんですよ、この法律は。
だから、当然、薬事法の、改正された薬事法ですよ、今は医療機器になっていますが、薬事法を改正して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律と変えたんですね、去年。その中には、医療機器の中にはわざわざ再生医療等製品を除くと書いてあるわけですよ。ですから、このまま読むと、この法律は再生医療等製品は入らないと、そう解釈するのがそのとおりなんですよ。
しかし、安倍総理は、再生医療等製品に物すごくこだわりありますよね。これを進めたいんだと、世界をリードしたいんだと。この法律に入っていなくていいんですか、最初から。
○衆議院議員(上野ひろし君) 再生医療等製品については、再生医療について基本法において別途定めておりまして、それも踏まえて今後取扱いについては御議論いただけるというふうに考えております。
○足立信也君 これ以上は議員立法ですから厳しくは言いませんけれども、恐らく総理が一番興味あるところはここです。これを入れなかったら意味がないと彼は考えていると思います。それだけ言っておきます。
もう一つ、やっぱりこの法律、どうしてもない。二〇一二年のときに、これ三党を中心に、私も法案作りに参画してまいりました。そこからやっぱり国民の責務あるいは役割というのがすぽんと抜けてきているんですね、前作ったときに比べて。
資料をそこに、皆さんにお渡しいたしました。これ介護保険法は、我々野党ですけど、与党になった後、その後も含めて、これ医療とか介護は提供する側と受ける側の共同作業ですよ。そして、それを普及するにも、今回の法案は普及と書いてある。国民がどういう役割を果たして、どういう責務を負うのか、ある意味ですね、それがないと普及しないですよ。ずっとこれ下から時系列的に書いてあるんですが、国民の責務、表現はいろいろ変えてきました、その法律にふさわしいように変えてきました、でも必ず国民の責務、役割と入れてきたんですよ。ところが、今国会提出された健康・医療戦略推進法案、これにも記載がなかった。この点、私、委員会でかなり言いました。健康・医療戦略を推進するのに国民は関係ないのという話ですよ。この法律、二年前は明らかに国民の責務、役割というものをしっかり入れておりました。それが不要と考えた理由、なぜなくしたのか。なくした内容は、どこがまずいからなくしたんですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
委員おっしゃりますように、医療機器の開発研究及び普及の促進という、この中で国民の果たすべき役割というのはとても重要であるというのは十分認識しております。ということで、先ほど資料で、足立委員がお配りになられました資料を拝見させていただきますと、いろんな法案で国民の責務というのが触れられておりますけれども、今回提出させていただきました議員立法の中では、この内容につきましては、この法案の四ページの第九条と五ページの十一条を御覧になっていただければ、この中にその要素を含ませていただいております。
例えば、治験の意義や医療機器の適正な使用に関する理解の促進を求める、こういったことに国民の理解を求めていくということで今の要件は満たされているということで、これはあえて削除したということではなくて、国民の責務を法案の中に盛り込ませていただいて、別建てにしていないということで御理解いただければと思います。
○足立信也君 そうお答えになると思っていました。
先ほど挙げました健康・医療戦略推進法案には、「目的」、「基本理念」のところにはっきり国民の理解と関心は不可欠だ、答弁でも言っている。国民の理解と関心がなかったらこんなこと進まないんですよ。その文言は一つもないですね。
今九条の話しましたが、「国民の理解の増進」というふうになっている。しかし、この法律は、普及の促進が入っているわけでしょう。普及するためには国民は理解して、そしてそこに積極的に取り組むであるとか、あるいはどういう役割を国民がこれに果たすのだということは極めて大事ですよ。
先ほどお答えになっていないんですが、なぜ外したんですかと。その外した内容は何がまずくて外したんですかということにはお答えになっていないんだけど、私はこういう基本法的な、あるいは推進法は、ある意味不可欠な項目だと思います。
菅官房長官も、国民の理解と関心は不可欠だから、表面的には出ていないんだけれども、必ずそれは盛り込んで含んで考えてあるということでおっしゃいましたが、ここから先余りきつく言ってもしようがないんですが、是非ともこれは、目的にも基本理念にもまず国民の役割、責務ということはないのと、国民の理解と関心という言葉もない。だから、少なくとも基本計画にはここは入れてくださいよ。計画にそれがないと進みませんよ。幾ら言葉で言っても、法律だけできても、それを進めるための方策がないですよ。どう対応すればいいのかという表現がないんですよ。是非そのことは魂を入れてくださいよ、どうせ法律作るんだったら。そのことについてどうですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) 先生のおっしゃることはごもっともでございますし、私たちは法案の中でこれ読み込んでいただけるようにということで、こういう文言で国民の皆様の理解を得られるような形で書かせていただきましたけれども、より積極的に基本計画の中でそういったことを加味していただけるようにこれから働きかけていきたいと思います。
○足立信也君 それでは、これから基本計画を策定することになります。先ほど申し上げました薬事法を改正して、これは医薬品と医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律となりました。ここでも、当然のことながら基本計画というこれからの工程というものが書かれてあります。これと、きちっと今回のこの法律によって作られる基本計画というのが、整合性がきちっと保たれるようにこれはやらないと意味ないですからね。イノベーション五か年戦略でもあるわけですから、そういうものとの整合性をきっちり担保できるかどうか、その点について、大丈夫ですか。
去年作った法案と整合性の持てる基本計画をきちっと作ってください、ばらばらになってはいけませんよと、これ大臣かもしれませんね。済みません、ごめんなさい。
○国務大臣(田村憲久君) 今般のこの議員立法でございますけれども、成立を見ましたら、我々といたしましても、しっかり整合性が付くようにしっかりと努力してまいりたいというふうに考えております。
○足立信也君 物すごく薬事法始まって以来の大改正を去年して、別の章立てで医療機器のところもしっかり定めた、こういう法案を作ったわけですね、皆さん一緒に作ったわけですよ。
その後でこういう基本法的なことが出て、基本法なのに、国民の役割は一体何なんだろう、分からない。それは順番が違うし、本当に意味があるのかな。これ、私、口が悪いですから、これだと薬にも毒にもならないんじゃないかと言ったら、それは薬じゃなくて医療機器ですからと言われましたよ。そんな印象があるんです。やはり基本法と言うからには足りない部分があるし、後で出すからにはもっとはっきりさせたものじゃないといけないなということを感じています。
機器についてはこの程度でとどめておきますが、繰り返したいのは、やはり医療や介護は提供する側だけでは駄目、促進しようと思ってもそこだけたたいても駄目なんです。受ける側の共同理解がないと駄目なんですよ。そのことを法にうたわないということはあり得ないと私は思っているし、委員長が大きくうなずいてくださっているので、そういう姿勢で我々は取り組んできたはずですよ、ここ何年間。是非それを継続していただきたいということを最後に申し上げます。
次がアレルギーで、これは恐らく西村委員の方からかなり言われるだろうと思って割愛していきます。
要は、基本理念は、これ生活環境の改善、そして均てん化、ADL向上のための支援、そして研究推進と、大きく四つに分けられると思うんですね。
先ほど、省庁横断的に取り組むんだと江田さんの方からお答えになりましたが、これ、以前の法案ですと、非常に多岐にわたるので、例えば大気汚染の防止、森林の適正な整備、食品に関する表示の充実、建築構造の改善の推進、学校の教職員の研修、非常に多岐にわたるので、以前は内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣と共同するとなっていたんですが、これだけ大きなもの、総理のリーダーシップがなくて本当に省庁横断的にできるでしょうか。
厚生労働大臣が基本的施策を講じる、考えるときに、これだけ大きなことを背負えるでしょうか。やりますと言われたら、はい、頑張ってくださいとしか言いようがないんですが、私は実際に政府にいた経験から極めて難しいと思いますよ。そこら辺は、江田さん、どういう自信を持っているんですか。
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○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
今日の委員会の始まりに、過労死等防止対策の推進に関する件につきまして、全国過労死を考える家族の会代表世話人の寺西笑子さんの方から参考人として意見を聞かせていただきました。
本当に過労死を防止するために国としてしっかりと対策を進めていくのはもちろんのこと、個人個人が家族を悲しませないためにも、やっぱりしっかりと健康に気を付けていくということを、自分の健康は自分で守っていくということをしっかりとやっていかなくてはいけないなということを改めて思いました。
時間の関係もありますので、今日、四つ法案が提案されておりますが、そのうち絞って質問させていただきたいと思います。
まず、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護職の人材確保を進めていった場合、例えば看護助手のように資格を持たずに医療機関で働いている職員の方々、介護施設が採用するなど医療機関と介護施設の間で人材の奪い合いが生じる可能性があるのではないかというふうに実感をいたしております。
医療機関で働く看護助手の方々も、医療機関を支えていく、下支えしていく非常に大事な人材であるというふうに思っておりまして、この点についてどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
今回の法案で提案させていただきましたのは、特に介護職の皆さんの、産業全体における平均賃金と比較して十万円程度、非常に介護・障害福祉従事者の方々が賃金が低いということで、その人材確保の意味、処遇改善の措置を講ずる必要があるということで今回、法案を提案させていただきました。
〔委員長退席、理事高階恵美子君着席〕
先生おっしゃるように、介護と医療の取り合いっこみたいな形があるのではないかという御指摘もありますけれども、ただ、この産業の中を見ますと、それよりも、ほかの産業に比べて非常に離職率が高いということと、資格を持っているのにもかかわらず、その資格を使わずに、介護・福祉分野以外のところで仕事をしてしまっている方々が非常に多いということで、実態を見ますと、医療や介護の施設の取り合いではなくて、むしろほかの産業との比較の中で問題があるのではないかと、このように考えまして、そこで、今国会の今回提案させていただきました法案の中では、なるべく人材を確保していくために処遇を良くしていきたいと、そういう思いで法案を出させていただきまして、有資格者の参入をどんどん促進していこう、あと職場の環境を良くしていこうと、そういう意味で提案をさせていただきました。
○東徹君 これも、現場からのこういった意見があるということで、是非この点につきましてもお考えいただければというふうに思っております。
続きまして、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護人材の確保を進めていくということは、本当にこれは非常に大事だということで、誰もが共通する問題意識だというふうに思っております。この法案の本則にありますように、介護従事者の処遇改善というものが求められているということで、来年の介護報酬の改定においても財源の確保が必要になってくるのではないのかなというふうに思っております。
これまでのこの厚生労働委員会の中でも再三再四、全ての各党の方々から介護従事者の処遇改善ということをお話をされたというふうに記憶をいたしております。当然、介護従事者の処遇を改善していくということは非常に大事だというふうに思うんですが、一方、処遇の改善のためには、何といいましてもやっぱり財源の確保というものが必要になってくるわけでありますけれども、この法案では財源の確保も含めて検討を加えというふうにされているのみになっております。
今後、消費税におきましても、今八%で、来年十月から一〇%に引上げが予定をされているという中ではありますし、また昨日成立しました医療、介護の人材確保の総合的な法律においても何かと自己負担割合が増えていくとか、そういった部分はありましたけれども、この介護保険料を引き上げていくことや自己負担を増やしていくことにつながっていくというふうに思うんですが、これは財源を確保していこうと思うとやっぱりそういったことも当然考えていかざるを得ないというふうに思うわけでありますが、これをやると、一方、国民の方からも非常に負担が重くなってくるというふうなことも当然考えられるわけでありまして、ただ、やはり介護人材を確保していく、そのためには処遇改善のために財源が必要になってくる。そこをやっぱり乗り越えていかなければならないというふうに思うわけですけれども、その介護保険の引上げや自己負担を増やしていく、このことについてどのように考えておられるのか、ここはやっぱり上げていかざるを得ないという覚悟でおられるのかどうか、それについてお聞かせいただきたいと思います。
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○山口和之君 ありがとうございます。
世界との連携を図って、共通の課題ですし、売るとかもうけるとかという、そういうレベルの話ではなくて、共同して開発していく、あるいは研究していくということを是非入れていただきたいなと思います。
続きまして、医療機器研究開発・普及促進法案についてお伺いしますけれども、輸入超過の現状はどうで、これまでの対策はどうかということを厚労省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 医療機器についての御質問でございます。
平成二十四年において、医療機器の輸入金額が約一・二兆円であるのに対しまして、輸出金額は約〇・五兆円となっております。この中で、侵襲性が高い治療系の機器が特に大幅に輸入に依存をしていると。一方で、検査用の機器については、これは逆に輸出の方が多いという現状でございます。
これらにつきましては、なかなか要因は様々ございますので分析は難しゅうございますけれども、特に治療機器につきましては、やはり開発に伴いまして、あるいは使用に伴いますリスクというのがどうしても出てまいりますので、そのリスクをどう調整するかというようなところ、そういうところがございます。そういう意味ではなかなか治療機器へと踏み出していただけないという現状があります。
一方で、物づくり技術そのものは我が国に大変優れたものがございますので、そういう技術とそれから医療で必要とされるニーズと、これをいかに合わせるかと、そういうような事業をするとか、あるいは厚生労働省としては、研究開発に係る税制上の措置について御要望しております。
そのほか、実際の開発に際しまして治験が必要になりますので、その際の治験がしっかりできるような体制の整備ということで、臨床研究中核病院等の整備、また、実際上の事業化に向けましてはその承認を取っていく必要がありますが、そのためのPMDAにおきます薬事戦略相談などの事前相談の拡充などについて対策を取ってきたところでございます。
○山口和之君 検査機器は輸出は非常に強いと。治療機器は弱いと。つまり、でも、検査機器が強いということは、体制さえ変わればその治療機器に対しても勝負できる、世界と。それだけの技術を持っているというふうに判断していいんですか。ざっくりですが。
○政府参考人(原徳壽君) 一概には申し上げられませんが、例えば先ほども申しました埋め込み型の心臓ペースメーカー、もうこれは一〇〇%輸入に頼っているわけですけれども、例えばこれを今から新たに開発しようとしますと、やはり特許がもう外国に握られているわけでありまして、そういう意味でその特許料を払ってでも開発してメリットがあるかどうか、そういう問題もありますので、なかなか、技術はあっても開発しにくいという状況は一方ではあると。ただ、そのほかにも新しい機器等も必要になってまいりますので、例えば病院と、あるいは大きな病院と、それから中小企業とで共同していろいろ開発していくなどなど、そういう工夫はしているところでございます。
○山口和之君 自分の感想ですけれども、環境さえ整えば世界と戦える、勝算はあると思っています。研究される方々が日本から出ていかない環境、世界から日本に来るような環境に変わってくると、大きく変わってくると思っています。
さて、じゃ、不足分が何で、この法案の目的は何かというところを発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) ありがとうございます。
委員御指摘のように、医療機器、輸入収支は約六千九百八十億円の赤字ということで、やはりなかなか今、国際競争力がそれほど強くない状況であります。これを高めていくためには、やはりきちっと法整備を整えていくこと、そして一番の目的はやはり連携をしっかり取っていくことだと思います。
この医療機器のメーカーさんというのは中小が非常に多くて、ばらばらに開発している、これが日本のある意味弱みでありますので、ここをなるべく集中させて連携を取らせていく、こういった法整備をしっかりしていくこと。さらに、先ほどお話がありましたように、検査期間の、こういったデバイスラグ、これをなるべく短くしていくこと。今、なかなか審査ラグは大分短くなってまいりましたけれども、申請ラグ、こちらの方が、どんどん申請してくださいということでお声掛けさせていただいておりますので、まだここの期間は短くなっておりませんけれども、今後PMDAも人員の方、どんどん増強しておりますので、こちらの審査期間も短くなると想定されますので、ここは競争力が出てくるのではないかなと、このように思います。
環境整備をしっかりしておくこと、日本人はいろんなアイデアをたくさん持っておりますので、これを形に持っていくような雰囲気というか、周りの整備を整えていくという意味ではこの法案は非常に有効ではないかと、このように思いまして、提案をさせていただきました。
○山口和之君 資源がない国ですから、これを資源にしていくというぐらいの覚悟は必要だと思います。この法案ができることによって医療機器研究開発の取組がどのように変わっていくのか、強化されていくのか、厚労省の方の見解をお伺いしたい。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
今回の法案で、医療機器の研究開発から普及の促進を総合的かつ計画的に推進すると、こういうような理念の下に作られております。
このことから、厚生労働省としましては、基礎研究をやっております、担当します文科省でありますとか、事業化をします経産省、関係の府省と連携しつつ、この目的である医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的にかつ計画的に推進していきたいと考えております。
またさらに、ベンチャーや中小企業の参入、これなどについても支援をしていくと。また、国際的な競争力を持った医療機器の実用化について、一層支援する体制を整えていきたいと考えております。
○山口和之君 今、話に出ましたベンチャーや中小企業なんですけれども、大半が、七〇%ぐらいが中小企業だという話と、自分の周りですけれども、なかなかベンチャーで立ち上げるのが大変だ、研究するお金がないと、頭脳はあってもなかなか行けないと、もうしようがないからほかの国とくっつくかなんというぐらいの話がしょっちゅう聞こえるわけなんですね。もったいない、非常にもったいない話があって、打率が多少低くても投資してもいいんじゃないかと。銀行でお金を貸すときに、土地が担保されていて全部ないと絶対貸さないというのと何か似ていて、ここに投資していくんだというぐらいの何かあれがないと少し日本は弱いのかなと思うんですが。
ベンチャーや中小企業が育成されにくい現状だと認識しているんですけれども、それに対する対策、先ほど少し触れられておりましたけれども、その対策、また、あと、医療機器を申請すると、途中でバージョンアップを行うとまたゼロからやらなきゃいけないとか非常に大変で、もう面倒だから医療機器申請するのをやめようとかというところも結構あって、医療機器の承認を取るのが非常に難しい。また、ちょっとでも進化するともう一回ゼロからかみたいな雰囲気があって非常に大変なんですけれども、その辺、二つ質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 中小企業対策については、実は経産省の方で中小企業やベンチャー育成などをやっております。特に、医療機器に関しましては、医工連携の事業化推進事業ということで、先ほど言いましたが、医療からの必要なものとそれから技術、これをマッチングさせるための様々な工夫をしているところでございます。
○政府参考人(今別府敏雄君) 薬事法につきましては、昨年の臨時国会で二度改正をいただきまして、インターネットの方は先週施行になりましたが、この医療機器関連の部分につきましては十一月下旬を目指して今鋭意準備をしているところでございます。
御指摘の医療機器のバージョンアップの関係でございますが、これは必ずしも全て承認を取り直す必要はなくて、現在でも、「製品の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれのあるもの」、これは承認が必要だと、こう書いてあるんですが、この「おそれのあるもの」というのを広く解されるのではないかというおそれを業界の方が抱いておられるようでございまして、今回、この規定のおそれという文言を落として規定を明確化しようというふうに考えております。
また、具体的に通知におきましてどういうものを対象にするのかということも、関係者と相談をして明確化をしていきたいというふうに考えております。
○山口和之君 いずれにせよ、勝算はある、この分野は非常に可能性がある分野ですので、厚労省だけの話ではなく、広げて国全体で対応していくようにお願いしたいと思います。
介護・障害福祉従事者の人材確保について質問させていただきます。
この法案は何を目指して、目標としているのか、発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
介護・障害福祉従事者の方々は、産業全体の平均賃金と比較しまして十万円程度低い傾向にあります。この理由は、多分キャリアパスが十分に確立されていないということと、年数だとか経験の積み重ねが賃金に上手に反映されない、評価の尺度がはっきりしていないということが二つ目で、三つ目は事業主の雇用能力、こちらにも大きなばらつきがあったりとか、こういった環境がありまして、なかなか賃金が低い傾向が定着しているというのが現状であります。
そのために、非常に離職者も多く、そして資格を持っているのになかなか働いてくださる方も少ないという、こういう現状でありますので、少しでもその人材を確保していこうということで処遇を少しでも良くしていきたいと、このように考えております。
そして、処遇改善だけではなくて、いろんな形で参入を、どんどん業者の方にも入っていただけるように、更に資質の向上が図れるように、そして雇用の環境の改善をしていきたいと、このように思っておりまして、法整備をしっかり整えさせていただいて環境を整えていきたいという趣旨で今回提案をさせていただきました。
○山口和之君 ありがとうございます。
来年の四月までということですので、具体的に何を狙っているのか、お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 山口委員にお答えを申し上げます。
年末までに来年度の予算が決定するわけですが、三つ具体的に検討せねばなりません。まず一つは、先ほど東委員にも申し上げました、介護報酬引上げ方式でいくのか、全額税金の処遇改善交付金方式でいくのか、このどちらを選択するのかという選択、そして二番目は、じゃ幾らぐらい上げるのかということであります、そして三つ目はその財源をどうするのか。
ちなみに、幾ら上げるのかということに関しましては、二〇〇八年四月に介護処遇改善交付金というのが今回と同様、超党派で成立をいたしました。そのときにどうであったかといいますと、翌年四月に介護報酬がアップして、約、介護は月給九千円、障害者は月給七千二百円アップいたしました。それが翌年の四月。さらに、翌年の十月からは処遇改善交付金ができまして、プラスアルファして一万五千円月給で上がる計算になりました。
しかし、今回は財政も当時より更に厳しくなっておりますから、今申し上げましたような大幅な賃上げは難しいとは思いますけれども、こういう今物価もアップしているときでありますから、そして今回、衆議院、参議院合わせて七百二十二人全員が賛成してこの法案を通すわけですから、しっかりと賃金引上げに取り組んでいかねばと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
大臣も上げると言っていましたから、うなずいていますし、だから多分大丈夫だと思うんですけれども、大臣からもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これ、来年度に向かっての予算要求という話になってくるわけでありますが、介護報酬改定の中においてしっかりと介護労働者の方々の処遇改善に向かって最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 どうもありがとうございます。突然申し訳ないです。
ただ、今までちょっといろいろお聞きしていることと、自分の意見も少し入れさせていただきたいんですが、先ほど発議者の方からもあったんですけれども、対症療法ともう一つはビジョンアプローチがあると思います。
介護のイメージを良くするために学校に行って説明するんだ、あるいは何をするんだという話が出てくるんですけれども、介護というのはそもそもどういうもので、どういうビジョンがあって、先にあるものは何かということが明確にないとやはり対症療法的なことになって、もちろん賃金が安いのではこれは話にならないんですけれども、どういうイメージでつくっていくのかという大きなビジョンというのはやっぱり必要なんだと思います。先ほど発議者の方から話されたと思うんですけれども、例えば予防においても、あるいは自立支援介護においても、どういう社会をつくっていく、どういう役割を果たしていくんだという大きなビジョンがあった上で、賃金もしっかりとしてそこに持っていくというふうなことが必要なんではないかなと、自分はそう思います。
是非そういったものをつくっていただいて、先ほど価値の話がありましたけれども、この分野はしっかりと価値のある分野なんだということを国民の中にしっかりと定着するような方向性を持っていっていただきたいと思います。
ちなみに、人材確保のための技能実習制度の拡大が検討されているんですけれども、どのように発議者は考えますか、お聞きしたいんですが。
○衆議院議員(山井和則君) この技能実習制度の活用につきましては、介護については各党様々な見解があると思われます。
しかし、一つ前提として言えますのは、今、介護施設では七割以上が認知症の高齢者になっております。その意味では、コミュニケーションが高齢者としっかり取れて質の高いサービスが日本人であろうが外国人であろうが提供できるということが前提になってくる。
とにかく、介護の主役は高齢者でありますから、高齢者のサービスが向上するような形で様々な方法が検討されるべきと考えております。
○山口和之君 様々な方法を是非検討していただきたいと思いますが。
EPAの介護の方々がいらっしゃるんですけれども、非常に質が高いという評価は自分の周りではございます。ある意味、どの分野を、どこをどう担うのかというのを、担う場所によってやっぱり若干違ってくるのかと思いますので、これもしっかり検討していただきたいと思います。
ちょっと時間があるので、少し福島関連をお伺いしたいと思います。
福島県は、今非常にハンディが、震災後、原発の問題等で大きなハンディがあるんですけれども、介護職についてちょっと自力では集められない状況なんです。もう何回か質問はしているんですけれども、大変申し訳ないけど国を挙げて応援していただきたいと。四月から四十五万円の資格取得費用の支給される制度が始まったとは思うんですけれども、効果が上がっているのか上がっていないのか、次の一手はないのかと。先ほどビジョンの話がありましたけど、これが駄目だったらこれがいけますよとかというふうにやってもらわないと、とても対応できていないと。その辺をお答え願います。
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○足立信也君 民主党の足立信也です。
寺西さんはまだお見えで、お聞かれになっていますから、私申し上げたいんですけど、去年我々が作った過労死をこの国からなくすんだという法案に比べて相当後退していると私は思っています。
その理由がどこにあるのかというのは、先ほど馳さんの答弁である意味分かったような気がしました。それは、日本に対する勧告を誤解しているということです。一つは、本人いなくて言うのも申し訳ないですが、馳さんはILOの勧告と言いましたが、これ国連社会規約委員会の勧告です。
それから、その内容は二つあるんですよ。過重労働による死、そして職場における精神的嫌がらせによる自殺、この二つを問題にしていて、過重労働による死については労働時間法制をきちっと守らせるように制裁をきっちりすると、労働時間法制を守らせるということを言っているんですよ。そして、職場でのあらゆる形態の嫌がらせ、さっきパワハラの話、津田さんから出ました。これについては、防止を目的とした法令、そして規則を採用すると。これは、我が党の石橋委員も、それから私もこれ申し上げました。
それを、何となく過労死、委員会で、彼もILOと言っていましたが、それで言われたから、何となく名前が入ったものだけ作ったと、そういう形になっているんじゃないでしょうかね。私は、物すごく後退している、それが調査研究が目的になってしまっている、この国から過労死をなくすんだという強い寺西さん始め家族の方の思い、それからそれを受け止めた国会議員で作ってきた法案の方がはるかに良かったと、私はそう思っています。
私は、二つの法案を担当ですので、その件については私の今所見を述べさせていただきました。
医療機器の法案について聞きます。
提出者にお聞きしますが、この法律案の医療機器というものは、再生医療等製品は入っていないんですか。
○衆議院議員(上野ひろし君) 提案者といたしましては、本法案の医療機器に再生医療等製品が含まれるとは考えておりませんが、薬事法等の一部を改正する法律で新たに再生医療等製品という概念ができたことを踏まえて、再生医療等製品についてどのような扱いをすべきか、今後御議論いただくものと考えております。
○足立信也君 法律に定義が書いてないんですよ、この法律は。
だから、当然、薬事法の、改正された薬事法ですよ、今は医療機器になっていますが、薬事法を改正して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律と変えたんですね、去年。その中には、医療機器の中にはわざわざ再生医療等製品を除くと書いてあるわけですよ。ですから、このまま読むと、この法律は再生医療等製品は入らないと、そう解釈するのがそのとおりなんですよ。
しかし、安倍総理は、再生医療等製品に物すごくこだわりありますよね。これを進めたいんだと、世界をリードしたいんだと。この法律に入っていなくていいんですか、最初から。
○衆議院議員(上野ひろし君) 再生医療等製品については、再生医療について基本法において別途定めておりまして、それも踏まえて今後取扱いについては御議論いただけるというふうに考えております。
○足立信也君 これ以上は議員立法ですから厳しくは言いませんけれども、恐らく総理が一番興味あるところはここです。これを入れなかったら意味がないと彼は考えていると思います。それだけ言っておきます。
もう一つ、やっぱりこの法律、どうしてもない。二〇一二年のときに、これ三党を中心に、私も法案作りに参画してまいりました。そこからやっぱり国民の責務あるいは役割というのがすぽんと抜けてきているんですね、前作ったときに比べて。
資料をそこに、皆さんにお渡しいたしました。これ介護保険法は、我々野党ですけど、与党になった後、その後も含めて、これ医療とか介護は提供する側と受ける側の共同作業ですよ。そして、それを普及するにも、今回の法案は普及と書いてある。国民がどういう役割を果たして、どういう責務を負うのか、ある意味ですね、それがないと普及しないですよ。ずっとこれ下から時系列的に書いてあるんですが、国民の責務、表現はいろいろ変えてきました、その法律にふさわしいように変えてきました、でも必ず国民の責務、役割と入れてきたんですよ。ところが、今国会提出された健康・医療戦略推進法案、これにも記載がなかった。この点、私、委員会でかなり言いました。健康・医療戦略を推進するのに国民は関係ないのという話ですよ。この法律、二年前は明らかに国民の責務、役割というものをしっかり入れておりました。それが不要と考えた理由、なぜなくしたのか。なくした内容は、どこがまずいからなくしたんですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
委員おっしゃりますように、医療機器の開発研究及び普及の促進という、この中で国民の果たすべき役割というのはとても重要であるというのは十分認識しております。ということで、先ほど資料で、足立委員がお配りになられました資料を拝見させていただきますと、いろんな法案で国民の責務というのが触れられておりますけれども、今回提出させていただきました議員立法の中では、この内容につきましては、この法案の四ページの第九条と五ページの十一条を御覧になっていただければ、この中にその要素を含ませていただいております。
例えば、治験の意義や医療機器の適正な使用に関する理解の促進を求める、こういったことに国民の理解を求めていくということで今の要件は満たされているということで、これはあえて削除したということではなくて、国民の責務を法案の中に盛り込ませていただいて、別建てにしていないということで御理解いただければと思います。
○足立信也君 そうお答えになると思っていました。
先ほど挙げました健康・医療戦略推進法案には、「目的」、「基本理念」のところにはっきり国民の理解と関心は不可欠だ、答弁でも言っている。国民の理解と関心がなかったらこんなこと進まないんですよ。その文言は一つもないですね。
今九条の話しましたが、「国民の理解の増進」というふうになっている。しかし、この法律は、普及の促進が入っているわけでしょう。普及するためには国民は理解して、そしてそこに積極的に取り組むであるとか、あるいはどういう役割を国民がこれに果たすのだということは極めて大事ですよ。
先ほどお答えになっていないんですが、なぜ外したんですかと。その外した内容は何がまずくて外したんですかということにはお答えになっていないんだけど、私はこういう基本法的な、あるいは推進法は、ある意味不可欠な項目だと思います。
菅官房長官も、国民の理解と関心は不可欠だから、表面的には出ていないんだけれども、必ずそれは盛り込んで含んで考えてあるということでおっしゃいましたが、ここから先余りきつく言ってもしようがないんですが、是非ともこれは、目的にも基本理念にもまず国民の役割、責務ということはないのと、国民の理解と関心という言葉もない。だから、少なくとも基本計画にはここは入れてくださいよ。計画にそれがないと進みませんよ。幾ら言葉で言っても、法律だけできても、それを進めるための方策がないですよ。どう対応すればいいのかという表現がないんですよ。是非そのことは魂を入れてくださいよ、どうせ法律作るんだったら。そのことについてどうですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) 先生のおっしゃることはごもっともでございますし、私たちは法案の中でこれ読み込んでいただけるようにということで、こういう文言で国民の皆様の理解を得られるような形で書かせていただきましたけれども、より積極的に基本計画の中でそういったことを加味していただけるようにこれから働きかけていきたいと思います。
○足立信也君 それでは、これから基本計画を策定することになります。先ほど申し上げました薬事法を改正して、これは医薬品と医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律となりました。ここでも、当然のことながら基本計画というこれからの工程というものが書かれてあります。これと、きちっと今回のこの法律によって作られる基本計画というのが、整合性がきちっと保たれるようにこれはやらないと意味ないですからね。イノベーション五か年戦略でもあるわけですから、そういうものとの整合性をきっちり担保できるかどうか、その点について、大丈夫ですか。
去年作った法案と整合性の持てる基本計画をきちっと作ってください、ばらばらになってはいけませんよと、これ大臣かもしれませんね。済みません、ごめんなさい。
○国務大臣(田村憲久君) 今般のこの議員立法でございますけれども、成立を見ましたら、我々といたしましても、しっかり整合性が付くようにしっかりと努力してまいりたいというふうに考えております。
○足立信也君 物すごく薬事法始まって以来の大改正を去年して、別の章立てで医療機器のところもしっかり定めた、こういう法案を作ったわけですね、皆さん一緒に作ったわけですよ。
その後でこういう基本法的なことが出て、基本法なのに、国民の役割は一体何なんだろう、分からない。それは順番が違うし、本当に意味があるのかな。これ、私、口が悪いですから、これだと薬にも毒にもならないんじゃないかと言ったら、それは薬じゃなくて医療機器ですからと言われましたよ。そんな印象があるんです。やはり基本法と言うからには足りない部分があるし、後で出すからにはもっとはっきりさせたものじゃないといけないなということを感じています。
機器についてはこの程度でとどめておきますが、繰り返したいのは、やはり医療や介護は提供する側だけでは駄目、促進しようと思ってもそこだけたたいても駄目なんです。受ける側の共同理解がないと駄目なんですよ。そのことを法にうたわないということはあり得ないと私は思っているし、委員長が大きくうなずいてくださっているので、そういう姿勢で我々は取り組んできたはずですよ、ここ何年間。是非それを継続していただきたいということを最後に申し上げます。
次がアレルギーで、これは恐らく西村委員の方からかなり言われるだろうと思って割愛していきます。
要は、基本理念は、これ生活環境の改善、そして均てん化、ADL向上のための支援、そして研究推進と、大きく四つに分けられると思うんですね。
先ほど、省庁横断的に取り組むんだと江田さんの方からお答えになりましたが、これ、以前の法案ですと、非常に多岐にわたるので、例えば大気汚染の防止、森林の適正な整備、食品に関する表示の充実、建築構造の改善の推進、学校の教職員の研修、非常に多岐にわたるので、以前は内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣と共同するとなっていたんですが、これだけ大きなもの、総理のリーダーシップがなくて本当に省庁横断的にできるでしょうか。
厚生労働大臣が基本的施策を講じる、考えるときに、これだけ大きなことを背負えるでしょうか。やりますと言われたら、はい、頑張ってくださいとしか言いようがないんですが、私は実際に政府にいた経験から極めて難しいと思いますよ。そこら辺は、江田さん、どういう自信を持っているんですか。
〜 (略) 〜
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
今日の委員会の始まりに、過労死等防止対策の推進に関する件につきまして、全国過労死を考える家族の会代表世話人の寺西笑子さんの方から参考人として意見を聞かせていただきました。
本当に過労死を防止するために国としてしっかりと対策を進めていくのはもちろんのこと、個人個人が家族を悲しませないためにも、やっぱりしっかりと健康に気を付けていくということを、自分の健康は自分で守っていくということをしっかりとやっていかなくてはいけないなということを改めて思いました。
時間の関係もありますので、今日、四つ法案が提案されておりますが、そのうち絞って質問させていただきたいと思います。
まず、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護職の人材確保を進めていった場合、例えば看護助手のように資格を持たずに医療機関で働いている職員の方々、介護施設が採用するなど医療機関と介護施設の間で人材の奪い合いが生じる可能性があるのではないかというふうに実感をいたしております。
医療機関で働く看護助手の方々も、医療機関を支えていく、下支えしていく非常に大事な人材であるというふうに思っておりまして、この点についてどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
今回の法案で提案させていただきましたのは、特に介護職の皆さんの、産業全体における平均賃金と比較して十万円程度、非常に介護・障害福祉従事者の方々が賃金が低いということで、その人材確保の意味、処遇改善の措置を講ずる必要があるということで今回、法案を提案させていただきました。
〔委員長退席、理事高階恵美子君着席〕
先生おっしゃるように、介護と医療の取り合いっこみたいな形があるのではないかという御指摘もありますけれども、ただ、この産業の中を見ますと、それよりも、ほかの産業に比べて非常に離職率が高いということと、資格を持っているのにもかかわらず、その資格を使わずに、介護・福祉分野以外のところで仕事をしてしまっている方々が非常に多いということで、実態を見ますと、医療や介護の施設の取り合いではなくて、むしろほかの産業との比較の中で問題があるのではないかと、このように考えまして、そこで、今国会の今回提案させていただきました法案の中では、なるべく人材を確保していくために処遇を良くしていきたいと、そういう思いで法案を出させていただきまして、有資格者の参入をどんどん促進していこう、あと職場の環境を良くしていこうと、そういう意味で提案をさせていただきました。
○東徹君 これも、現場からのこういった意見があるということで、是非この点につきましてもお考えいただければというふうに思っております。
続きまして、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護人材の確保を進めていくということは、本当にこれは非常に大事だということで、誰もが共通する問題意識だというふうに思っております。この法案の本則にありますように、介護従事者の処遇改善というものが求められているということで、来年の介護報酬の改定においても財源の確保が必要になってくるのではないのかなというふうに思っております。
これまでのこの厚生労働委員会の中でも再三再四、全ての各党の方々から介護従事者の処遇改善ということをお話をされたというふうに記憶をいたしております。当然、介護従事者の処遇を改善していくということは非常に大事だというふうに思うんですが、一方、処遇の改善のためには、何といいましてもやっぱり財源の確保というものが必要になってくるわけでありますけれども、この法案では財源の確保も含めて検討を加えというふうにされているのみになっております。
今後、消費税におきましても、今八%で、来年十月から一〇%に引上げが予定をされているという中ではありますし、また昨日成立しました医療、介護の人材確保の総合的な法律においても何かと自己負担割合が増えていくとか、そういった部分はありましたけれども、この介護保険料を引き上げていくことや自己負担を増やしていくことにつながっていくというふうに思うんですが、これは財源を確保していこうと思うとやっぱりそういったことも当然考えていかざるを得ないというふうに思うわけでありますが、これをやると、一方、国民の方からも非常に負担が重くなってくるというふうなことも当然考えられるわけでありまして、ただ、やはり介護人材を確保していく、そのためには処遇改善のために財源が必要になってくる。そこをやっぱり乗り越えていかなければならないというふうに思うわけですけれども、その介護保険の引上げや自己負担を増やしていく、このことについてどのように考えておられるのか、ここはやっぱり上げていかざるを得ないという覚悟でおられるのかどうか、それについてお聞かせいただきたいと思います。
〜 (略) 〜
○山口和之君 ありがとうございます。
世界との連携を図って、共通の課題ですし、売るとかもうけるとかという、そういうレベルの話ではなくて、共同して開発していく、あるいは研究していくということを是非入れていただきたいなと思います。
続きまして、医療機器研究開発・普及促進法案についてお伺いしますけれども、輸入超過の現状はどうで、これまでの対策はどうかということを厚労省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 医療機器についての御質問でございます。
平成二十四年において、医療機器の輸入金額が約一・二兆円であるのに対しまして、輸出金額は約〇・五兆円となっております。この中で、侵襲性が高い治療系の機器が特に大幅に輸入に依存をしていると。一方で、検査用の機器については、これは逆に輸出の方が多いという現状でございます。
これらにつきましては、なかなか要因は様々ございますので分析は難しゅうございますけれども、特に治療機器につきましては、やはり開発に伴いまして、あるいは使用に伴いますリスクというのがどうしても出てまいりますので、そのリスクをどう調整するかというようなところ、そういうところがございます。そういう意味ではなかなか治療機器へと踏み出していただけないという現状があります。
一方で、物づくり技術そのものは我が国に大変優れたものがございますので、そういう技術とそれから医療で必要とされるニーズと、これをいかに合わせるかと、そういうような事業をするとか、あるいは厚生労働省としては、研究開発に係る税制上の措置について御要望しております。
そのほか、実際の開発に際しまして治験が必要になりますので、その際の治験がしっかりできるような体制の整備ということで、臨床研究中核病院等の整備、また、実際上の事業化に向けましてはその承認を取っていく必要がありますが、そのためのPMDAにおきます薬事戦略相談などの事前相談の拡充などについて対策を取ってきたところでございます。
○山口和之君 検査機器は輸出は非常に強いと。治療機器は弱いと。つまり、でも、検査機器が強いということは、体制さえ変わればその治療機器に対しても勝負できる、世界と。それだけの技術を持っているというふうに判断していいんですか。ざっくりですが。
○政府参考人(原徳壽君) 一概には申し上げられませんが、例えば先ほども申しました埋め込み型の心臓ペースメーカー、もうこれは一〇〇%輸入に頼っているわけですけれども、例えばこれを今から新たに開発しようとしますと、やはり特許がもう外国に握られているわけでありまして、そういう意味でその特許料を払ってでも開発してメリットがあるかどうか、そういう問題もありますので、なかなか、技術はあっても開発しにくいという状況は一方ではあると。ただ、そのほかにも新しい機器等も必要になってまいりますので、例えば病院と、あるいは大きな病院と、それから中小企業とで共同していろいろ開発していくなどなど、そういう工夫はしているところでございます。
○山口和之君 自分の感想ですけれども、環境さえ整えば世界と戦える、勝算はあると思っています。研究される方々が日本から出ていかない環境、世界から日本に来るような環境に変わってくると、大きく変わってくると思っています。
さて、じゃ、不足分が何で、この法案の目的は何かというところを発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) ありがとうございます。
委員御指摘のように、医療機器、輸入収支は約六千九百八十億円の赤字ということで、やはりなかなか今、国際競争力がそれほど強くない状況であります。これを高めていくためには、やはりきちっと法整備を整えていくこと、そして一番の目的はやはり連携をしっかり取っていくことだと思います。
この医療機器のメーカーさんというのは中小が非常に多くて、ばらばらに開発している、これが日本のある意味弱みでありますので、ここをなるべく集中させて連携を取らせていく、こういった法整備をしっかりしていくこと。さらに、先ほどお話がありましたように、検査期間の、こういったデバイスラグ、これをなるべく短くしていくこと。今、なかなか審査ラグは大分短くなってまいりましたけれども、申請ラグ、こちらの方が、どんどん申請してくださいということでお声掛けさせていただいておりますので、まだここの期間は短くなっておりませんけれども、今後PMDAも人員の方、どんどん増強しておりますので、こちらの審査期間も短くなると想定されますので、ここは競争力が出てくるのではないかなと、このように思います。
環境整備をしっかりしておくこと、日本人はいろんなアイデアをたくさん持っておりますので、これを形に持っていくような雰囲気というか、周りの整備を整えていくという意味ではこの法案は非常に有効ではないかと、このように思いまして、提案をさせていただきました。
○山口和之君 資源がない国ですから、これを資源にしていくというぐらいの覚悟は必要だと思います。この法案ができることによって医療機器研究開発の取組がどのように変わっていくのか、強化されていくのか、厚労省の方の見解をお伺いしたい。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
今回の法案で、医療機器の研究開発から普及の促進を総合的かつ計画的に推進すると、こういうような理念の下に作られております。
このことから、厚生労働省としましては、基礎研究をやっております、担当します文科省でありますとか、事業化をします経産省、関係の府省と連携しつつ、この目的である医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的にかつ計画的に推進していきたいと考えております。
またさらに、ベンチャーや中小企業の参入、これなどについても支援をしていくと。また、国際的な競争力を持った医療機器の実用化について、一層支援する体制を整えていきたいと考えております。
○山口和之君 今、話に出ましたベンチャーや中小企業なんですけれども、大半が、七〇%ぐらいが中小企業だという話と、自分の周りですけれども、なかなかベンチャーで立ち上げるのが大変だ、研究するお金がないと、頭脳はあってもなかなか行けないと、もうしようがないからほかの国とくっつくかなんというぐらいの話がしょっちゅう聞こえるわけなんですね。もったいない、非常にもったいない話があって、打率が多少低くても投資してもいいんじゃないかと。銀行でお金を貸すときに、土地が担保されていて全部ないと絶対貸さないというのと何か似ていて、ここに投資していくんだというぐらいの何かあれがないと少し日本は弱いのかなと思うんですが。
ベンチャーや中小企業が育成されにくい現状だと認識しているんですけれども、それに対する対策、先ほど少し触れられておりましたけれども、その対策、また、あと、医療機器を申請すると、途中でバージョンアップを行うとまたゼロからやらなきゃいけないとか非常に大変で、もう面倒だから医療機器申請するのをやめようとかというところも結構あって、医療機器の承認を取るのが非常に難しい。また、ちょっとでも進化するともう一回ゼロからかみたいな雰囲気があって非常に大変なんですけれども、その辺、二つ質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 中小企業対策については、実は経産省の方で中小企業やベンチャー育成などをやっております。特に、医療機器に関しましては、医工連携の事業化推進事業ということで、先ほど言いましたが、医療からの必要なものとそれから技術、これをマッチングさせるための様々な工夫をしているところでございます。
○政府参考人(今別府敏雄君) 薬事法につきましては、昨年の臨時国会で二度改正をいただきまして、インターネットの方は先週施行になりましたが、この医療機器関連の部分につきましては十一月下旬を目指して今鋭意準備をしているところでございます。
御指摘の医療機器のバージョンアップの関係でございますが、これは必ずしも全て承認を取り直す必要はなくて、現在でも、「製品の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれのあるもの」、これは承認が必要だと、こう書いてあるんですが、この「おそれのあるもの」というのを広く解されるのではないかというおそれを業界の方が抱いておられるようでございまして、今回、この規定のおそれという文言を落として規定を明確化しようというふうに考えております。
また、具体的に通知におきましてどういうものを対象にするのかということも、関係者と相談をして明確化をしていきたいというふうに考えております。
○山口和之君 いずれにせよ、勝算はある、この分野は非常に可能性がある分野ですので、厚労省だけの話ではなく、広げて国全体で対応していくようにお願いしたいと思います。
介護・障害福祉従事者の人材確保について質問させていただきます。
この法案は何を目指して、目標としているのか、発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
介護・障害福祉従事者の方々は、産業全体の平均賃金と比較しまして十万円程度低い傾向にあります。この理由は、多分キャリアパスが十分に確立されていないということと、年数だとか経験の積み重ねが賃金に上手に反映されない、評価の尺度がはっきりしていないということが二つ目で、三つ目は事業主の雇用能力、こちらにも大きなばらつきがあったりとか、こういった環境がありまして、なかなか賃金が低い傾向が定着しているというのが現状であります。
そのために、非常に離職者も多く、そして資格を持っているのになかなか働いてくださる方も少ないという、こういう現状でありますので、少しでもその人材を確保していこうということで処遇を少しでも良くしていきたいと、このように考えております。
そして、処遇改善だけではなくて、いろんな形で参入を、どんどん業者の方にも入っていただけるように、更に資質の向上が図れるように、そして雇用の環境の改善をしていきたいと、このように思っておりまして、法整備をしっかり整えさせていただいて環境を整えていきたいという趣旨で今回提案をさせていただきました。
○山口和之君 ありがとうございます。
来年の四月までということですので、具体的に何を狙っているのか、お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 山口委員にお答えを申し上げます。
年末までに来年度の予算が決定するわけですが、三つ具体的に検討せねばなりません。まず一つは、先ほど東委員にも申し上げました、介護報酬引上げ方式でいくのか、全額税金の処遇改善交付金方式でいくのか、このどちらを選択するのかという選択、そして二番目は、じゃ幾らぐらい上げるのかということであります、そして三つ目はその財源をどうするのか。
ちなみに、幾ら上げるのかということに関しましては、二〇〇八年四月に介護処遇改善交付金というのが今回と同様、超党派で成立をいたしました。そのときにどうであったかといいますと、翌年四月に介護報酬がアップして、約、介護は月給九千円、障害者は月給七千二百円アップいたしました。それが翌年の四月。さらに、翌年の十月からは処遇改善交付金ができまして、プラスアルファして一万五千円月給で上がる計算になりました。
しかし、今回は財政も当時より更に厳しくなっておりますから、今申し上げましたような大幅な賃上げは難しいとは思いますけれども、こういう今物価もアップしているときでありますから、そして今回、衆議院、参議院合わせて七百二十二人全員が賛成してこの法案を通すわけですから、しっかりと賃金引上げに取り組んでいかねばと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
大臣も上げると言っていましたから、うなずいていますし、だから多分大丈夫だと思うんですけれども、大臣からもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これ、来年度に向かっての予算要求という話になってくるわけでありますが、介護報酬改定の中においてしっかりと介護労働者の方々の処遇改善に向かって最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 どうもありがとうございます。突然申し訳ないです。
ただ、今までちょっといろいろお聞きしていることと、自分の意見も少し入れさせていただきたいんですが、先ほど発議者の方からもあったんですけれども、対症療法ともう一つはビジョンアプローチがあると思います。
介護のイメージを良くするために学校に行って説明するんだ、あるいは何をするんだという話が出てくるんですけれども、介護というのはそもそもどういうもので、どういうビジョンがあって、先にあるものは何かということが明確にないとやはり対症療法的なことになって、もちろん賃金が安いのではこれは話にならないんですけれども、どういうイメージでつくっていくのかという大きなビジョンというのはやっぱり必要なんだと思います。先ほど発議者の方から話されたと思うんですけれども、例えば予防においても、あるいは自立支援介護においても、どういう社会をつくっていく、どういう役割を果たしていくんだという大きなビジョンがあった上で、賃金もしっかりとしてそこに持っていくというふうなことが必要なんではないかなと、自分はそう思います。
是非そういったものをつくっていただいて、先ほど価値の話がありましたけれども、この分野はしっかりと価値のある分野なんだということを国民の中にしっかりと定着するような方向性を持っていっていただきたいと思います。
ちなみに、人材確保のための技能実習制度の拡大が検討されているんですけれども、どのように発議者は考えますか、お聞きしたいんですが。
○衆議院議員(山井和則君) この技能実習制度の活用につきましては、介護については各党様々な見解があると思われます。
しかし、一つ前提として言えますのは、今、介護施設では七割以上が認知症の高齢者になっております。その意味では、コミュニケーションが高齢者としっかり取れて質の高いサービスが日本人であろうが外国人であろうが提供できるということが前提になってくる。
とにかく、介護の主役は高齢者でありますから、高齢者のサービスが向上するような形で様々な方法が検討されるべきと考えております。
○山口和之君 様々な方法を是非検討していただきたいと思いますが。
EPAの介護の方々がいらっしゃるんですけれども、非常に質が高いという評価は自分の周りではございます。ある意味、どの分野を、どこをどう担うのかというのを、担う場所によってやっぱり若干違ってくるのかと思いますので、これもしっかり検討していただきたいと思います。
ちょっと時間があるので、少し福島関連をお伺いしたいと思います。
福島県は、今非常にハンディが、震災後、原発の問題等で大きなハンディがあるんですけれども、介護職についてちょっと自力では集められない状況なんです。もう何回か質問はしているんですけれども、大変申し訳ないけど国を挙げて応援していただきたいと。四月から四十五万円の資格取得費用の支給される制度が始まったとは思うんですけれども、効果が上がっているのか上がっていないのか、次の一手はないのかと。先ほどビジョンの話がありましたけど、これが駄目だったらこれがいけますよとかというふうにやってもらわないと、とても対応できていないと。その辺をお答え願います。
〜 (略) 〜