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議会報告

議事録

183-参-厚生労働委員会-4号 平成25年04月25日


〜 (略) 〜


○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 最初に、イレッサと抗がん剤副作用被害救済制度について質問いたします。
 抗がん剤イレッサにより間質性肺炎による多くの副作用死を出した事件に関する訴訟は、四月十二日の最高裁判決をもって終結をしました。最高裁は国と企業に責任はないという判断を下したわけですが、これはあくまでも損害賠償責任はないという判断であって、国の薬事行政に問題がなかったというお墨付きが与えられたわけではありません。
 イレッサについては、副作用の少ない夢の新薬という情報が承認前から広がり、承認から三か月後に緊急安全性情報を出して添付文書が改訂されましたが、この三か月だけでも百六十二人の間質性肺炎による死亡者を出しています。副作用で亡くなられた方の多くは、十分な情報のない中で、副作用が少ない抗がん剤と信じて服用したのです。被害者の方々には何の落ち度もありません。
 副作用被害については、スモン訴訟の後、副作用被害救済制度が設けられましたが、抗がん剤は適用対象から外れており、これは公平を逸しております。
 この度の最高裁判決を言い渡した最高裁第三小法廷は裁判官五人で構成されていますが、三名の裁判官が補足意見で救済に言及しており、そのうちの一つ、二名によってこのように指摘されています。「副作用が重篤であり、本件のように承認・輸入販売開始時に潜在的に存在していた危険がその直後に顕在化した場合について、使用した患者にのみ受忍を求めることが相当であるか疑問が残るところである。法の目的が、製造者の責任を規定し、被害者の保護を図り、もって国民生活の向上と国民経済の健全な発展に寄与することにあるならば、有用性がある新規開発の医薬品に伴う副作用のリスクを、製薬業界、医療界、ないし社会的により広く分担し、その中で被害者保護、被害者救済を図ることも考えられてよいと思われる。」との指摘です。
 判決後の新聞各社社説も、救済制度の創設の必要性を指摘しています。
 抗がん剤副作用救済制度については、二〇一一年一月の東京、大阪両地裁の和解勧告について国がこれを拒否した際に、これはいろいろとありましたけれども、国が和解について拒否するようにということを学会に下書きの文書まで命じてそれを指示してこれを書かせたということもありましたが、厚生労働大臣が和解は拒否するが救済制度は検討すると述べて、厚生労働省に検討会を設置して、二〇一二年の八月に引き続き検討すべきという取りまとめの報告書を出して解散しております。
 そこで大臣にお尋ねいたします。抗がん剤副作用救済制度を創設していくための検討をしっかり続けていくという姿勢があるのかないのか、お答えください。

○国務大臣(田村憲久君) 今委員がおっしゃられましたとおり、菅内閣当時にこの制度導入を検討するとした経緯がございまして、抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会、これが開催をされたわけであります。いろいろと御議論いただきましたが、二十四年八月十日、その取りまとめがなされまして、抗がん剤の副作用による健康被害の救済制度の導入には様々な問題があり、現時点では具体的な判断は容易ではないというような内容になりました。
 といいますのは、幾つかの問題点がこの報告書に挙げられておるわけでありますが、例えば、適正使用の判断によっては医療が萎縮してしまうんではないか、その結果、患者の選択肢が狭まるのではないか。それから、製薬企業が抗がん剤の開発に消極的にならないか。さらには、放射線治療また手術による副作用等々との関係性、これが不公平が生じるのではないか。このような議論があったわけでありまして、最終的には具体的な判断は容易ではないと。
 ただ一方で、引き続き制度の実施可能性について検討を続けるべきとされておるわけでありまして、厚生労働省といたしましても、制度導入を引き続き政策課題と認識して、今後とも検討をしてまいりたいというふうに思います。

○川田龍平君 この取りまとめでの引き続き検討と、今おっしゃいました引き続き検討となった検討というのは、具体的にはどこで行われ、どのように進展していくのでしょうか。

○政府参考人(榮畑潤君) 昨年八月の抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会では、引き続き制度の実施可能性について検討を続けるということと、それから、抗がん剤等による副作用の発生状況等の基礎的データの収集、分析の体制整備を進めるというふうなこと等があったところでございます。
 そのため、昨年度、平成二十四年度から、副作用発生状況等の基礎的データを収集するために、厚生労働科学研究班で抗がん剤による重篤な有害事象の発生頻度を推定する仕組みにつきまして研究に着手したところでございまして、今後ともこの研究につきまして更に進めていって、引き続き制度の実現可能性についての検討を進めていきたいと思っておるところでございます。
 以上でございます。

○川田龍平君 このデータベースの構築というのも当然しっかりやっていただきたいんですが、データベースができなければ何も動かないというのではおかしいと思います。抗がん剤による副作用に関する因果関係の認定の在り方や、抗がん剤救済制度の新たな制度設計の可能性について検討する研究班を設置するべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今話に出ております抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会、この中では、今もお話ありましたけれども、まず現状をきっちり把握しようということで基礎データを収集、分析している、まずそこから今取り組んでいる状況でございます。ですから、もちろん副作用に関する因果関係の認定の在り方、これはその検討結果を見ましてまた判断していきたいというふうに考えておりまして、これももちろん重要な検討課題の一つであるということは重々承知しております。
 御指摘のように、研究班を設置するということもございますけれども、これは現状をまずは把握をして、それから考えていきたいと、このように思っております。
 ありがとうございます。

○川田龍平君 これはいつごろまでにやるということで検討していますでしょうか。

○政府参考人(榮畑潤君) 先ほど申しました厚生労働科学研究班の調査研究ですが、まず二十四年度に着手しまして、二十五、二十六年度ぐらいまで続けて実証的な調査研究を進めていきたいと考えておるところでございます。

○川田龍平君 私も薬害エイズの被害者の当事者として、特に、被害者がなぜ裁判を提起するのかというのは身をもって体験をして知っておりますが、それは賠償金のためではないんです。事件の真相を明らかにして、二度と同じようなつらい思いをさせない、そういう人が出ないようにということで、教訓を生かしてほしいということで、願うからであります。訴訟において国は勝ちましたけれども、この賠償責任が否定されたから薬事行政に問題がなかったということにはなりません。この事件の教訓をしっかりと今後の薬事行政に生かしていただきたいのです。
 教訓の一つは、迅速な承認でこそ安全対策が重要ということと、特に前評判が高く、医療現場や患者さんの期待が多いときこそしっかりと安全対策をしなければなりません。イレッサは二〇〇二年の七月に、通常は審査に八か月から一年掛かっていたところを、僅か五か月余りで承認をしました。当時、国は新たにPMDAを設立して、迅速な承認体制を築くという政策を進めていました。イレッサは言わばその迅速承認の前倒し実施で、しかも夢の新薬とも言われ、前評判が大きく、承認直後から爆発的に使用されたのです。
 今、再生医療が大きな期待を集め、国もこれを後押ししています。そして、迅速な承認のための特別な制度を設けようとしていますが、これはイレッサのときと似ているのではありませんか。迅速承認と安全対策は車の両輪でなければなりません。前のめりとなって安全対策がおろそかになされていないのかを危惧します。
 そこで大臣に伺いますが、まずイレッサの教訓、これについては、訴訟の勝敗にかかわらずにしっかり薬事行政に生かすという姿勢をお持ちかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。

○国務大臣(田村憲久君) 裁判の結果にかかわらず、引き続き医薬品の安全対策というのをしっかり充実をしてまいりたいというふうに思います。
 あわせて、今般、薬事法改正、提出をさせていただくわけでありますけれども、添付文書の届出制等々ということでございまして、しっかりとその点は強化をしてまいりたいというふうに思います。


〜 (略) 〜

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