170-衆-青少年問題に関する特別…-2号 平成20年11月18日
○とかしき委員 おはようございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
質問の前に、福岡先生も先ほどおっしゃいましたけれども、大麻についてちょっと一言申し上げたいと思います。これは通告をさせていただいておりませんので、要望という形でお聞きいただければと思います。
連日のように、大学生、学生、ついに高校生まで汚染されているというような報道までなされております。
私、実は薬剤師でありまして、大学時代、薬の害でいかに体に大きなダメージをこうむるか、これを一番勉強いたしました。
大麻には副作用がない。先ほどちょっとグーグルの方で、大麻、副作用というふうに書いて検索いたしましたら、約十六万ぐらいヒットしたんですけれども、十枚ぐらいめくっていってもずっと、大麻の副作用ではなくて、副作用がないという情報ばかりが流れているわけですね。ですから、それを見ると、多分若い人たちは、ああ、大麻は副作用がないんだ、体に害を及ぼすものではないというふうに必ず誤って認識してしまうのではないかなと思いました。
同じように、大麻、購入方法というふうにして検索しますと、激裏情報、クリニック、違法なクスリの購入方法を知りたいとかいって、そのサイトがありまして、どこどこの公園に行くとこういう人たちがいて薬を購入できますよとか、そういったことが、ましてやグーグルで一番最初にその情報が入ってくるということで、インターネットの世界でこの情報がかなり行き交っていて、これがかなりの汚染源になっているということが明白なわけであります。
早急に、このインターネットを使った情報発信をどういうふうに食いとめていくのか、さらに、インターネットの中の情報で、大麻に関する副作用、体にどんなダメージがあるのかということを、どんどんメッセージを発信していかないと、今の状況ではますます被害者がふえてくる。
もしくは、今、見ていますと、法律の方がおかしいんじゃないか、むしろ体に副作用がないものを禁止している日本の法律の方がおかしいのではないかというキャンペーンすらインターネット上で張られているという異常事態になっておりますので、早急なる手を打っていただきたいと思います。これは要望にさせていただきます。
ということで、ここから質問に入らせていただきます。
次に、少子化問題からきょうはお話しさせていただいて、最後に、青少年に家庭の大切さを意識させる、そういった教育活動についての質問をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
少子化を語る前に、ちょっと自分の思いを吐露させていただきますと、私も実は独身でありますので、よく、少子化問題をお話しすると、あなた、子供も産んでいないのにそんなことを語る資格があるのというふうに言われてしまうんですけれども、全くそのとおりでありますけれども、でも……(発言する者あり)そうなんです。そうだと思うんですけれども、子供を産む性を授かって、それを行使しなかったということで、この年になってみて、私も女性として、やはり子供を産まなかったということは、実は人生において大変……(発言する者あり)いや、まだなことはないと思いますけれども、非常に大きな後悔となっているわけであります。
逆に、こんな思いを抱いているからこそ、子供を産まれた方、そして子育てで苦労なさっている方のお役に少しでも立ちたいなと、ざんげの意味も込めて少子化問題にこれからも積極的に取り組んでいきたいなというふうに思っております。
そこで、少子化問題についてお伺いしたいんですけれども、今回の第二次補正予算に盛り込まれる予定になっております少子化対策、小渕大臣がすごく思い入れを持ってこの少子化対策に取り組んでいらっしゃるというふうにおっしゃっていましたので、その内容と目的と期待される効果をぜひお示しいただきたいと思います。
あと、政府が政策を実行した場合に、それがどうした場合うまくいったということが評価できるのか、その評価軸、もしお考えになっていましたら、あわせてお知らせください。
○小渕国務大臣 少子化問題というのは、今まさに待ったなしの状況にあると考えています。
私もその一人なんですけれども、第二次ベビーブームの世代が三十代であるのもあと五年であります。それ以降は母親となるべき人口が減っていくという状況の中で、本当にこの二、三年のうちに思い切った施策をとらなければ少子化に歯どめがかからないのではないかと、私は大変強い思いを持っております。
先ほど委員からお話がありましたけれども、少子化問題というのは、男性であっても女性であっても、子供を持っていても持っていなくても、また御年配の方であっても、今のこの日本の最重要課題である少子化問題について何ができるのか、それをそれぞれにやはり考え、また行動に移していかなければならない時期にもう既に来ていると思っておりますので、ぜひ積極的に御発言いただきたいと思っております。
今、政府・与党によります生活対策の中で、この少子化対策について、安心して出産、子育てができる環境づくりを加速するということで、思い切った施策を盛り込ませていただきました。
その一つが、安心こども基金、一千億円です。これを都道府県に設置することによりまして、新待機児童ゼロ作戦を前倒しして、三年間のうちで十五万人分の保育所の整備を推進していきたいと考えています。
二つ目としては、妊婦健診の無料化です。現在、十四回のうちの五回は公費で見ることとなっておりますけれども、これを十四回丸々見ることによりまして、妊婦さんの出産に関してのできる限りの経済的な負担をなくしていこうと考えています。
三つ目としては、子育て応援特別手当の支給。そして、中小企業子育て支援の促進等。この四つの項目が含まれております。
また、今回ちょっと盛り込むことが間に合わなかったんですけれども、出産費用の無料化についても、年末の予算編成過程の中でぜひとも実現させていきたい。
子供をおなかに持って出産するまで、そうした経済的なことを何も考えずにお子様を持つことができる、そうした環境をしっかり整えていきたいと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
今回の子育て対策というか、少子化対策の政策、私の地元のお母様方にもとても評判がよくて、ぜひ早く国会の方で審議をして通してもらいたいということで、結構声が上がっておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、少子化大臣の立場であられる小渕大臣なんですけれども、日本の少子化の一番の原因が一体どこにあるとお考えでしょうか。それに対して、今後どのような政策を重点的に取り組んでいらっしゃろうと思うか、今お話しになった部分も含まれるかと思いますけれども、お願いいたします。
○小渕国務大臣 出生率の低下につきまして、一番の要因ということでありますけれども、一つに絞るのはなかなか難しいのですけれども、平均初婚年齢、また未婚率が上昇しているということ、また夫婦の出生児数の減少が挙げられるかと思います。また、社会的、経済的には、雇用の不安定、男性の長時間労働、教育費の負担感といった要因が考えられるのではないかと思います。
こうした問題点を改善するために、具体的な施策としては、まず、安心して妊娠、出産ができるための支援として、先ほど申し上げた妊婦健診の無料化、そして出産育児一時金の充実、そして産科医療体制の確保など、しっかり整えていかなければならないと考えております。
二つ目として、その後安心して仕事と子育てを両立するための環境整備として、安心こども基金の創設による保育所の整備、また仕事と生活の調和の実現、教育費負担軽減のための奨学金の充実や保育園、幼稚園等の保育料軽減などの経済的支援、またフリーター等の不安定就労者対策も含めた若者の職業的自立に向けた総合的支援など、幅広く総合的にやっていかなければならないのではないかと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
少子化問題、いろいろな原因があるかと思うんですけれども、私は、最近、傾向を見ていて、子供を持ったお母さんの方に政策が少し偏り過ぎていて、その前の青少年の段階からやはり動機づけをしていくこと、こういったことも必要なのではないかなと思います。
そこで、ちょっとデータをお持ちさせていただきました。このパネルで、こちらの方で見ていただくとわかるんですけれども、夫婦一人当たりの子供の数がどうなっているのかということなんです。
夫婦当たりの子供数というのは、実はほとんど横ばいでありまして、結婚すると子供をつくる数というのはそんなには変わっておりません。ただ、出生率がどんどん下がっていくというのは、実は結婚する人が非常に少なくなっているという傾向が見られるわけであります。ですから、家庭を持った人は、比較的、割と子供を産んでいらっしゃるんですけれども、しかし、結婚する人自身が大幅に減っていることによって子供の数が少なくなっているということが言えます。さらにもう一つ言えるのが、やはり離婚の数が非常にふえているということで、家庭を一度つくっても、これを解消してしまう人も非常にふえているわけであります。
このように、家庭を維持するということを私たちが放棄してしまうことによって、実は少子化がどんどん進んでいるということが言えるわけであります。
このように考えていきますと、実は、結婚しないような人たちを結婚するようにやはり持っていかなくてはいけない。そのためには、家庭の大切さとか、温かさだとか、それを維持していく重要性、そしてすばらしさを、やはり青少年のうちからしっかり教育の中に盛り込んでいかないと、結婚しない人がますます今後もふえてしまって、そしてそれが少子化に大きな影響を与えていくということになりますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○小渕国務大臣 今委員の御指摘がありましたように、やはり少子化の要因として、初婚の年齢が上がっている、また結婚しない人たちがふえている、そうしたことが大きな要因であるということも、私自身も承知をしています。また、離婚についても触れられましたけれども、出生率にどのような影響を及ぼしているかという正確なデータは持ち合わせていないのですけれども、ただ、夫婦が減るということに関しては、やはりこれも出生率とは無関係ではないと思います。
先ほど、青少年の段階で、結婚をするようにしっかりと教育をしていった方がよろしいのではないかというお話がありましたけれども、やはり、これから子供を産み育てていく若いうちに、そうした家族のきずなですとか家庭の大切さ、そうしたものをしっかり考えていくということは大変重要なことであると考えています。
教育の場だけでなく、やはり私自身、結婚を考える、結婚観というものは自分自身の両親から受ける影響も大変大きなものがあると思いますので、例えば教育だけにかかわるのではなくて、やはり家庭の中で、そうしたことの大切さ、家族を持つこと、家庭を持つことのすばらしさ、喜びというものをしっかり言っていかなければならないのではないかと考えています。
政府としては、十一月十六日を家族の日としておりまして、その前後一週間を家族の週間と位置づけています。関係省庁、また地方公共団体、関係団体との連携のもと、各種の啓発活動を行っているところでありますけれども、こうした日やこうした週間を利用して、家族とは何だろう、家族の大切さについていろいろ話し合うような時間をそれぞれの御家庭の中で持っていただけるといいなと思っております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
ぜひ、その家族の大切さというものを、どうも若い人たちが、今、その意識がすごく欠落しているので、それを大切にしていっていただきたいと思います。特に、さっき大臣がおっしゃいましたように、両親を見て、子供たちというのは夫婦観とか家庭観とかいうのを育ててまいりますので、そういった関係を、環境を整えていくということもとても大切だと思います。
あともう一つ。私も最近勉強して知ったんですけれども、お産のときに、その影響はかなり大きいということが何か最近わかってきたということで、出産のときに非常にストレスのある出産をして、そして子供を産んで、例えば、手術台の上でお母さんがしんどい体位で、すごく長時間苦しい思いをして、そして薬を使って無理やりかき出すように出産をした。そしてお母さんが、血だらけになって出てきた赤ちゃんはお母さんとすぐ離されてしまって、あとは保育器の外からガラス越しに自分の子供と最初に会わなくてはいけない。こういった赤ちゃんの育て方をしていると、やはり親子関係が希薄になってしまう可能性がある。
むしろ、人間が本来持っていた機能である自然分娩という、陣痛促進剤も使わないで自然な形で、明るいところではなくて少し暗いところで、自分の好きな体位でゆっくり時間をかけながらお産をして、そしてそのときにはつるっと赤ちゃんが、血まみれになって生まれるわけでもなく、大きな声で泣いてしまうこともなく、ストレスがかからないで親子が最初に対面をして、そして抱き締めてあげた。その赤ちゃんとの親子関係というのが、実は、だんだん育っていくと、その方が精神的にかなり安定して、愛情豊かにお母さんも子育てができ、そして子供も親に対してすごく信頼感が出てくるというふうなことが行われて、現場の方では、今、そういった産科の先生が出てきております。
ということで、お産というのが、私は、ある意味、すごくすばらしい体験であると思うんです。親子関係を築いていく家庭の価値観を、一番、無意識のうちに、言葉でなくて体で体感できるすばらしい行為だと思うんですけれども、お産がどのような意味を持っていくのか、親子関係と家庭のきずなを醸成する意味においてお産をどういうふうに位置づけていったらいいのか、大臣のお考えをお知らせください。
○小渕国務大臣 お産をどう位置づけていったらいいのかという御質問でありますけれども、どのような出産の形をとるのかというのは、それぞれの母体のこともありますので、一概に、こういう方法、こういう形がいいということをなかなか言い切れない部分もあるかと思います。なかなかそうしたお産のことというのは表で語られることが少なかったように思いますけれども、私も経験者でありますけれども、大変いい経験をしたなと自分自身思っております。
お産についても、大変重要で、今後いろいろな形で議論が進んでいけばいいと私は思っておるんですけれども、そのお産の前に、やはりおなかの中に十月十日いるわけでありまして、その中で子供と母親とのつながりというものはできてきますし、子供が生まれたいときに合わせて産んであげられるような環境を整えられれば、それがベストではないかと考えております。
○とかしき委員 私も、お産はある意味人間の哲学を象徴している行為ではないかなというふうに思います。人生の奥深いところを含めた行為、それがお産であると思います。夫婦が、そして親子が命がけでかち取っていった関係、これができ上がっていく最初の段階だと思います。
お産がすばらしい、こういったことをやはり若いうちから教育しておく。若い人たちは、お産の写真を見ると、何か痛そうで大変だなと言って、わあ、出産したくないわと。私も学生のときに、女子校だったんですけれども、そういうような意見がすごく出ていたんですね。そうではなくて、お産というのは本当にすばらしいものだ、こういうふうにお互いに、今までお産について余り前向きに公の場所で話す機会もなかなかなかったわけですけれども、本当はすばらしいことなんだ、人間に与えられたすばらしい行為なんだということをこれからどんどん意識づけしていく、これも私は少子化対策につながっていくのではないかなと思います。
小渕大臣はまさにそれを体験なさって、そしてそれがすばらしい行為であるということを小渕大臣の口からお話ししていただくと、すごく説得力があって、心を打たれる方が多分多いのではないかなと思います。小渕大臣が少子化対策大臣でいらっしゃるうちに、お産についての考えをこれからもどんどん示していただいて、家庭の大切さ、そして親子関係の大切さ、そういったことを、みずからの体験を込めてこれから語っていただく、ぜひそのことをお願い申し上げたいと思います。
ということで、時間も参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○とかしき委員 おはようございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
質問の前に、福岡先生も先ほどおっしゃいましたけれども、大麻についてちょっと一言申し上げたいと思います。これは通告をさせていただいておりませんので、要望という形でお聞きいただければと思います。
連日のように、大学生、学生、ついに高校生まで汚染されているというような報道までなされております。
私、実は薬剤師でありまして、大学時代、薬の害でいかに体に大きなダメージをこうむるか、これを一番勉強いたしました。
大麻には副作用がない。先ほどちょっとグーグルの方で、大麻、副作用というふうに書いて検索いたしましたら、約十六万ぐらいヒットしたんですけれども、十枚ぐらいめくっていってもずっと、大麻の副作用ではなくて、副作用がないという情報ばかりが流れているわけですね。ですから、それを見ると、多分若い人たちは、ああ、大麻は副作用がないんだ、体に害を及ぼすものではないというふうに必ず誤って認識してしまうのではないかなと思いました。
同じように、大麻、購入方法というふうにして検索しますと、激裏情報、クリニック、違法なクスリの購入方法を知りたいとかいって、そのサイトがありまして、どこどこの公園に行くとこういう人たちがいて薬を購入できますよとか、そういったことが、ましてやグーグルで一番最初にその情報が入ってくるということで、インターネットの世界でこの情報がかなり行き交っていて、これがかなりの汚染源になっているということが明白なわけであります。
早急に、このインターネットを使った情報発信をどういうふうに食いとめていくのか、さらに、インターネットの中の情報で、大麻に関する副作用、体にどんなダメージがあるのかということを、どんどんメッセージを発信していかないと、今の状況ではますます被害者がふえてくる。
もしくは、今、見ていますと、法律の方がおかしいんじゃないか、むしろ体に副作用がないものを禁止している日本の法律の方がおかしいのではないかというキャンペーンすらインターネット上で張られているという異常事態になっておりますので、早急なる手を打っていただきたいと思います。これは要望にさせていただきます。
ということで、ここから質問に入らせていただきます。
次に、少子化問題からきょうはお話しさせていただいて、最後に、青少年に家庭の大切さを意識させる、そういった教育活動についての質問をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
少子化を語る前に、ちょっと自分の思いを吐露させていただきますと、私も実は独身でありますので、よく、少子化問題をお話しすると、あなた、子供も産んでいないのにそんなことを語る資格があるのというふうに言われてしまうんですけれども、全くそのとおりでありますけれども、でも……(発言する者あり)そうなんです。そうだと思うんですけれども、子供を産む性を授かって、それを行使しなかったということで、この年になってみて、私も女性として、やはり子供を産まなかったということは、実は人生において大変……(発言する者あり)いや、まだなことはないと思いますけれども、非常に大きな後悔となっているわけであります。
逆に、こんな思いを抱いているからこそ、子供を産まれた方、そして子育てで苦労なさっている方のお役に少しでも立ちたいなと、ざんげの意味も込めて少子化問題にこれからも積極的に取り組んでいきたいなというふうに思っております。
そこで、少子化問題についてお伺いしたいんですけれども、今回の第二次補正予算に盛り込まれる予定になっております少子化対策、小渕大臣がすごく思い入れを持ってこの少子化対策に取り組んでいらっしゃるというふうにおっしゃっていましたので、その内容と目的と期待される効果をぜひお示しいただきたいと思います。
あと、政府が政策を実行した場合に、それがどうした場合うまくいったということが評価できるのか、その評価軸、もしお考えになっていましたら、あわせてお知らせください。
○小渕国務大臣 少子化問題というのは、今まさに待ったなしの状況にあると考えています。
私もその一人なんですけれども、第二次ベビーブームの世代が三十代であるのもあと五年であります。それ以降は母親となるべき人口が減っていくという状況の中で、本当にこの二、三年のうちに思い切った施策をとらなければ少子化に歯どめがかからないのではないかと、私は大変強い思いを持っております。
先ほど委員からお話がありましたけれども、少子化問題というのは、男性であっても女性であっても、子供を持っていても持っていなくても、また御年配の方であっても、今のこの日本の最重要課題である少子化問題について何ができるのか、それをそれぞれにやはり考え、また行動に移していかなければならない時期にもう既に来ていると思っておりますので、ぜひ積極的に御発言いただきたいと思っております。
今、政府・与党によります生活対策の中で、この少子化対策について、安心して出産、子育てができる環境づくりを加速するということで、思い切った施策を盛り込ませていただきました。
その一つが、安心こども基金、一千億円です。これを都道府県に設置することによりまして、新待機児童ゼロ作戦を前倒しして、三年間のうちで十五万人分の保育所の整備を推進していきたいと考えています。
二つ目としては、妊婦健診の無料化です。現在、十四回のうちの五回は公費で見ることとなっておりますけれども、これを十四回丸々見ることによりまして、妊婦さんの出産に関してのできる限りの経済的な負担をなくしていこうと考えています。
三つ目としては、子育て応援特別手当の支給。そして、中小企業子育て支援の促進等。この四つの項目が含まれております。
また、今回ちょっと盛り込むことが間に合わなかったんですけれども、出産費用の無料化についても、年末の予算編成過程の中でぜひとも実現させていきたい。
子供をおなかに持って出産するまで、そうした経済的なことを何も考えずにお子様を持つことができる、そうした環境をしっかり整えていきたいと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
今回の子育て対策というか、少子化対策の政策、私の地元のお母様方にもとても評判がよくて、ぜひ早く国会の方で審議をして通してもらいたいということで、結構声が上がっておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、少子化大臣の立場であられる小渕大臣なんですけれども、日本の少子化の一番の原因が一体どこにあるとお考えでしょうか。それに対して、今後どのような政策を重点的に取り組んでいらっしゃろうと思うか、今お話しになった部分も含まれるかと思いますけれども、お願いいたします。
○小渕国務大臣 出生率の低下につきまして、一番の要因ということでありますけれども、一つに絞るのはなかなか難しいのですけれども、平均初婚年齢、また未婚率が上昇しているということ、また夫婦の出生児数の減少が挙げられるかと思います。また、社会的、経済的には、雇用の不安定、男性の長時間労働、教育費の負担感といった要因が考えられるのではないかと思います。
こうした問題点を改善するために、具体的な施策としては、まず、安心して妊娠、出産ができるための支援として、先ほど申し上げた妊婦健診の無料化、そして出産育児一時金の充実、そして産科医療体制の確保など、しっかり整えていかなければならないと考えております。
二つ目として、その後安心して仕事と子育てを両立するための環境整備として、安心こども基金の創設による保育所の整備、また仕事と生活の調和の実現、教育費負担軽減のための奨学金の充実や保育園、幼稚園等の保育料軽減などの経済的支援、またフリーター等の不安定就労者対策も含めた若者の職業的自立に向けた総合的支援など、幅広く総合的にやっていかなければならないのではないかと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
少子化問題、いろいろな原因があるかと思うんですけれども、私は、最近、傾向を見ていて、子供を持ったお母さんの方に政策が少し偏り過ぎていて、その前の青少年の段階からやはり動機づけをしていくこと、こういったことも必要なのではないかなと思います。
そこで、ちょっとデータをお持ちさせていただきました。このパネルで、こちらの方で見ていただくとわかるんですけれども、夫婦一人当たりの子供の数がどうなっているのかということなんです。
夫婦当たりの子供数というのは、実はほとんど横ばいでありまして、結婚すると子供をつくる数というのはそんなには変わっておりません。ただ、出生率がどんどん下がっていくというのは、実は結婚する人が非常に少なくなっているという傾向が見られるわけであります。ですから、家庭を持った人は、比較的、割と子供を産んでいらっしゃるんですけれども、しかし、結婚する人自身が大幅に減っていることによって子供の数が少なくなっているということが言えます。さらにもう一つ言えるのが、やはり離婚の数が非常にふえているということで、家庭を一度つくっても、これを解消してしまう人も非常にふえているわけであります。
このように、家庭を維持するということを私たちが放棄してしまうことによって、実は少子化がどんどん進んでいるということが言えるわけであります。
このように考えていきますと、実は、結婚しないような人たちを結婚するようにやはり持っていかなくてはいけない。そのためには、家庭の大切さとか、温かさだとか、それを維持していく重要性、そしてすばらしさを、やはり青少年のうちからしっかり教育の中に盛り込んでいかないと、結婚しない人がますます今後もふえてしまって、そしてそれが少子化に大きな影響を与えていくということになりますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○小渕国務大臣 今委員の御指摘がありましたように、やはり少子化の要因として、初婚の年齢が上がっている、また結婚しない人たちがふえている、そうしたことが大きな要因であるということも、私自身も承知をしています。また、離婚についても触れられましたけれども、出生率にどのような影響を及ぼしているかという正確なデータは持ち合わせていないのですけれども、ただ、夫婦が減るということに関しては、やはりこれも出生率とは無関係ではないと思います。
先ほど、青少年の段階で、結婚をするようにしっかりと教育をしていった方がよろしいのではないかというお話がありましたけれども、やはり、これから子供を産み育てていく若いうちに、そうした家族のきずなですとか家庭の大切さ、そうしたものをしっかり考えていくということは大変重要なことであると考えています。
教育の場だけでなく、やはり私自身、結婚を考える、結婚観というものは自分自身の両親から受ける影響も大変大きなものがあると思いますので、例えば教育だけにかかわるのではなくて、やはり家庭の中で、そうしたことの大切さ、家族を持つこと、家庭を持つことのすばらしさ、喜びというものをしっかり言っていかなければならないのではないかと考えています。
政府としては、十一月十六日を家族の日としておりまして、その前後一週間を家族の週間と位置づけています。関係省庁、また地方公共団体、関係団体との連携のもと、各種の啓発活動を行っているところでありますけれども、こうした日やこうした週間を利用して、家族とは何だろう、家族の大切さについていろいろ話し合うような時間をそれぞれの御家庭の中で持っていただけるといいなと思っております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
ぜひ、その家族の大切さというものを、どうも若い人たちが、今、その意識がすごく欠落しているので、それを大切にしていっていただきたいと思います。特に、さっき大臣がおっしゃいましたように、両親を見て、子供たちというのは夫婦観とか家庭観とかいうのを育ててまいりますので、そういった関係を、環境を整えていくということもとても大切だと思います。
あともう一つ。私も最近勉強して知ったんですけれども、お産のときに、その影響はかなり大きいということが何か最近わかってきたということで、出産のときに非常にストレスのある出産をして、そして子供を産んで、例えば、手術台の上でお母さんがしんどい体位で、すごく長時間苦しい思いをして、そして薬を使って無理やりかき出すように出産をした。そしてお母さんが、血だらけになって出てきた赤ちゃんはお母さんとすぐ離されてしまって、あとは保育器の外からガラス越しに自分の子供と最初に会わなくてはいけない。こういった赤ちゃんの育て方をしていると、やはり親子関係が希薄になってしまう可能性がある。
むしろ、人間が本来持っていた機能である自然分娩という、陣痛促進剤も使わないで自然な形で、明るいところではなくて少し暗いところで、自分の好きな体位でゆっくり時間をかけながらお産をして、そしてそのときにはつるっと赤ちゃんが、血まみれになって生まれるわけでもなく、大きな声で泣いてしまうこともなく、ストレスがかからないで親子が最初に対面をして、そして抱き締めてあげた。その赤ちゃんとの親子関係というのが、実は、だんだん育っていくと、その方が精神的にかなり安定して、愛情豊かにお母さんも子育てができ、そして子供も親に対してすごく信頼感が出てくるというふうなことが行われて、現場の方では、今、そういった産科の先生が出てきております。
ということで、お産というのが、私は、ある意味、すごくすばらしい体験であると思うんです。親子関係を築いていく家庭の価値観を、一番、無意識のうちに、言葉でなくて体で体感できるすばらしい行為だと思うんですけれども、お産がどのような意味を持っていくのか、親子関係と家庭のきずなを醸成する意味においてお産をどういうふうに位置づけていったらいいのか、大臣のお考えをお知らせください。
○小渕国務大臣 お産をどう位置づけていったらいいのかという御質問でありますけれども、どのような出産の形をとるのかというのは、それぞれの母体のこともありますので、一概に、こういう方法、こういう形がいいということをなかなか言い切れない部分もあるかと思います。なかなかそうしたお産のことというのは表で語られることが少なかったように思いますけれども、私も経験者でありますけれども、大変いい経験をしたなと自分自身思っております。
お産についても、大変重要で、今後いろいろな形で議論が進んでいけばいいと私は思っておるんですけれども、そのお産の前に、やはりおなかの中に十月十日いるわけでありまして、その中で子供と母親とのつながりというものはできてきますし、子供が生まれたいときに合わせて産んであげられるような環境を整えられれば、それがベストではないかと考えております。
○とかしき委員 私も、お産はある意味人間の哲学を象徴している行為ではないかなというふうに思います。人生の奥深いところを含めた行為、それがお産であると思います。夫婦が、そして親子が命がけでかち取っていった関係、これができ上がっていく最初の段階だと思います。
お産がすばらしい、こういったことをやはり若いうちから教育しておく。若い人たちは、お産の写真を見ると、何か痛そうで大変だなと言って、わあ、出産したくないわと。私も学生のときに、女子校だったんですけれども、そういうような意見がすごく出ていたんですね。そうではなくて、お産というのは本当にすばらしいものだ、こういうふうにお互いに、今までお産について余り前向きに公の場所で話す機会もなかなかなかったわけですけれども、本当はすばらしいことなんだ、人間に与えられたすばらしい行為なんだということをこれからどんどん意識づけしていく、これも私は少子化対策につながっていくのではないかなと思います。
小渕大臣はまさにそれを体験なさって、そしてそれがすばらしい行為であるということを小渕大臣の口からお話ししていただくと、すごく説得力があって、心を打たれる方が多分多いのではないかなと思います。小渕大臣が少子化対策大臣でいらっしゃるうちに、お産についての考えをこれからもどんどん示していただいて、家庭の大切さ、そして親子関係の大切さ、そういったことを、みずからの体験を込めてこれから語っていただく、ぜひそのことをお願い申し上げたいと思います。
ということで、時間も参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。