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164-衆-決算行政監視委員会第一…-2号 平成18年06月06日

○前田主査代理 これにて山井和則君の質疑は終了いたしました。
 次に、とかしきなおみ君。

○とかしき分科員 よろしくお願いします。
 本日は、ごみの処理方法についてお伺いさせていただきます。
 日本は、御存じのように、ごみは可燃ごみと不燃ごみというような形の分別をしますけれども、欧米の先進国では、ほとんどの場合はリサイクルできるごみ、できないごみというような分別をいたします。そういうふうな目で見ますと、日本のような国は世界の中では非常にまれではないかというふうに考えられます。世界の中でごみ焼却施設の占める割合が日本は多いのではというふうに聞いておりますけれども、欧米と比べてその割合はどうなのか、お教えください。

○由田政府参考人 欧米におきましては、比較的、我が国と比べまして気候などが高温多湿ということではありませんで、従来から基本的に埋立処分がされるというふうな形がとられております。したがいまして、焼却比率につきましては、比較的高いフランスやオランダが三二%、ドイツは二二%、アメリカは一五%となっております。
 これに対しまして、我が国ではかつてから高温多湿というふうな事情もございまして、衛生的な処理というふうなことから焼却処理という手法が多用されてございます。安定化、減容化ということを目指しまして、焼却比率は七四%となっておりまして、欧米と比べて高くなっておるところであります。

○とかしき分科員 今の数字を見ましても、日本は七四%というと、もちろん高温多湿もあるんですけれども、やはり特異的に高い数字ではないかというふうに考えられるわけです。
 ごみを焼却するといいますと、日本人は、ごみは焼却するしか方法がないということで、ごみをごみとして扱ってしまっている。そして、埋立処理はそのままではできないと信じているということで、日本の廃棄物政策が一気に焼却依存へ物すごく傾斜しているのではないかというふうにも考えられるわけです。
 このように、ごみ処理方法としての焼却の方法を小池大臣は現在どのように評価なさっているのか。そして、今後どういうふうにしていったらいいのか、その辺のお考えをお聞かせください。

○小池国務大臣 我が国は七三・五%と他国と比べますと断トツに高い比率を示しております。国土が小さい、そしてその上に経済大国、第二位ということで大変活発な経済力がある、その分廃棄物が多い、一方で国土が狭い、他国と比べますとそういった違いがあろうかと思います。そんなことの結果として主に焼却という形で活用されてきたものだ、このように認識をいたしております。
 一方で、ごみの焼却に伴ってダイオキシン類が一九九〇年代に大変大きな問題となってまいりました。対策技術がその後確立されまして、ダイオキシンの対策、ダイオキシン類対策特別措置法が施行されたことなどによってこの点の問題は克服されたと認識をいたしております。
 また一方で、循環型社会の構築と並んで、脱温暖化社会の形成というのが私どもの環境行政の大きな柱となっておることは御承知のとおりだと思います。一方で、脱石油という意味で、焼却によるごみからのエネルギーを回収するという発想も必要かと思っております。
 したがって、今後のごみ対策として、発生抑制、リデュース、再使用、リユース、再生利用、リサイクル、いわゆるスリーR、これらを行った上で、残ったものは徹底して熱回収、エネルギーリカバリーすべき、このように考えているところでございます。また、この基本原則に沿って、安全を確保しながら、ごみからのエネルギー回収の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
 しかし、私はその前に、今は何か製品をつくるときに、その後は大量廃棄、まあ大量生産、大量消費、大量廃棄と言われていましたけれども、そこからまた大量生産につなげられるような製品が消費者の支援というかバックアップを受け出しているという現実も大切にしていきたいし、またそういったプロダクツに対して、消費者が称賛の声、声だけでなくて買う、購買するという一番大きなエールを送るということがまた違う意味での循環型社会の構築であって、それは焼却でもなく埋め立てでもないというような方向に持っていくのが一番ベストなんだろうな、このようにも考えております。

○とかしき分科員 御丁寧にありがとうございました。
 韓国の方もそうなんですけれども、一回限りの使いっ放しの商品はもう使わないようにしようということで、国としてそういう形で法律で制限を加えていくというような動きが出てきたり、やはり大量使用して、一回限りで、それで大量廃棄していく今のやり方にはかなり限界が来ているかなというふうに思うわけです。
 それにしましても、やはり焼却をするといいますと、私は四つぐらい問題点があるのではないか、一つ目はリサイクルが比較的困難になってしまうということ、CO2の排出、さらに化学物質の凝縮、そして財政上の問題、この四つの課題があるのではないかというふうに考えております。
 一つずつお伺いしていきたいんです。
 まず一つ目、リサイクルが困難になるということなんですけれども、焼却してしまうと、先ほど大臣もお答えいただきましたように、熱回収していくということで、であれば、エネルギーの回収が十分にそこでとれるので、わざわざ大変な分別をする必要もなく、分別に意味がないのではないかということで、本格的なリサイクルの芽を逆に奪ってしまっているのではないかとも言えるわけです。
 そこでお伺いしたいんですけれども、自治体による再資源化と住民団体による集団回収、いろいろあちこちで積極的に行われておりますけれども、そのリサイクル率は大体どれぐらいになっているのか。あと、先進国と言われています例えばドイツですとか、最近頑張っているカナダとか、その辺のリサイクル率と比べて日本はどうなのか。近年のリサイクルの推移もお知らせいただければと思います。

○由田政府参考人 一般廃棄物の集団回収も含めました資源化量の合計は、平成十五年度におきまして約九百十六万トンということでありまして、リサイクル率は一六・八%となっております。
 平成六年度におけるリサイクル率が九・一%であったことを考えますれば、十年間でリサイクル率そのものは約二倍になっておるわけであります。
 なお、先ほど、あわせて御質問もございました諸外国におけますリサイクル率についてでありますが、OECDの二〇〇四年の調査結果を見ますと、リサイクル率というものの考え方あるいは対象としている廃棄物などの範囲、定義が必ずしも一緒ではありませんので同一に比較することはなかなか困難かもしれませんが、このデータによりますと、例えば、ドイツのリサイクル率は二〇〇一年度で二六・七%、カナダのリサイクル率は二〇〇〇年度で二三・二%となっております。

○とかしき分科員 ありがとうございました。
 私が前に視察で訪れたことがあるカナダのノバスコシア州というところなんですが、ここは、一九九七年がリサイクル率三%だったんですけれども、その後、脱焼却をしよう、脱埋め立てをしようというような宣言をしまして、その三年後の二〇〇〇年にはリサイクル率六〇%まで上がりまして、そして二〇一〇年までには八八%までいけそうだと、非常に頑張っているところもあったわけです。
 数値だけ見ますと、カウントが違うとはいえ、諸外国より日本もまだ低い状況なんですけれども、焼却を推し進めていくとリサイクルの芽を摘んでしまうのではないかという考え方について、小池大臣はいかがお考えでしょうか。

○小池国務大臣 循環型社会を実現する、そのためには、ごみから資源とエネルギーの両方をできる限り回収するということが必要となってまいります。リサイクルとエネルギーの回収につきましては、循環型社会形成推進基本法の基本原則に示されているとおり、リサイクルできるごみはリサイクルをする、そして、その上で残ったリサイクルが困難なごみは焼却をする、焼却をしながらもエネルギー回収をするという考え方が基本となってくるかと存じます。
 廃棄物処理法に基づきます基本方針におきましても、廃プラスチック類については、容器包装リサイクルなどによりますリサイクルを推進し、そして、なお残った廃プラスチック類を焼却し、エネルギー回収をするという方針を明確にしているところでございます。
 このような基本方針に沿って、資源とエネルギーをできるだけ回収するごみ処理システムの構築に向けて市町村を支援していくことが必要かと存じます。
 また、先ほどカナダのノバスコシア州の例についてお話がございました。そこでのポイントは企業がどう取り組むかということだったのではないかと。州知事か市長かちょっと忘れましたが、それを担当された方から直接伺いまして、そんなことをおっしゃっていたのが大変印象的でございました。参考にすべきと考えております。

○とかしき分科員 ということで、今日本の場合にちょっと問題なのが、リサイクルできるごみすらもまだ焼却の方に回しているのではないか、その辺の分別がまだ行き届いていないのではないか、そういうふうに考えられるわけです。
 そして二つ目の課題、CO2のことなんですけれども、今エネルギー回収するということで、回収して効率よくやっていこうとはしているんですけれども、これが本当に効率がいいのかどうかということで、かえって多くのCO2を出しているのではないかという話もあるわけです。
 例えばアメリカの環境保護庁が行った研究によりますと、一トンの廃棄物を燃焼するのに〇・八トン、そういった物すごい量のCO2が要るということも言えるわけです。八百度以上の高温の焼却とかガス溶融炉とかRDF、いろいろな形で発熱によりエネルギーの回収をして発電をするという方法を今とっておりますけれども、これは、京都議定書を批准していかなくてはいけない国として、この方法を推し進めていくだけで本当に効率がいいのかどうなのか、もう一度検討する必要もあるのではないかと思うんです。
 そこでお伺いしたいんですが、日本国内にある焼却施設から排出されているCO2はどれぐらいでしょうかということと、京都議定書で削減を約束しているCO2の中の何%ぐらいを占めることになるんでしょうか。

○由田政府参考人 日本におけます一般廃棄物の焼却によりまして排出される二酸化炭素の排出量は、二〇〇三年度で約千四百万トンということになっております。
 これは、京都議定書の基準年であります一九九〇年度におけます温室効果ガスの総排出量の十二億五千五百万トンに占める割合は約一・一%ということであります。
 廃棄物処理施設におけます温暖化対策としまして、循環型社会形成推進基本計画に基づきます廃棄物の発生抑制やリサイクルを進めまして、焼却をする場合にあっても極力エネルギーを回収することを推進いたしまして、CO2の削減に努めていくことといたしております。

○とかしき分科員 次に、化学物質のことについてお伺いしたいと思います。
 焼却の場合に、焼却によって有害ガスが出てくるわけです。焼却炉で出てくる有害ガスは空気中の約三分の一を占めるのではないかという話もあるわけです。
 そこで、焼却施設の排出基準、日本でも今設けているかと思いますけれども、それは今何種類ぐらいあって、具体的には何と何であるんでしょうか。そして、参考までに、ドイツの排出基準を設けている化学物質は何種類あるのか教えてください。

○由田政府参考人 お答えいたします。
 廃棄物焼却炉から排出されます物質などで大気汚染防止法、廃棄物処理法及びダイオキシン対策特別措置法に基づきまして大気汚染に係ります排出基準等が定められていますのは、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、塩化水素、一酸化炭素、それからダイオキシン類ということであります。また、大気に係る環境基準の確保が困難な地域では、硫黄酸化物及び窒素酸化物の総量規制基準が定められているところであります。
 一方、ドイツのごみ焼却炉に関します排ガスを規制する政令によりますと、ドイツでは、金属類十三項目など全部で二十二項目につきまして廃棄物焼却炉からの排ガスに関する排出基準が定められていると承知いたしております。

○とかしき分科員 今お伺いしましたところ、重金属は日本の場合規制をしていないように思えるんですけれども、例えば水銀、カドミウム、鉛など、こういったものも焼却炉が非常に大きな排出源と言われているんですけれども、なぜ日本は重金属を排出基準に加えていないのか、その理由を教えてください。

○由田政府参考人 廃棄物処理法の焼却施設の技術基準におきましては、焼却時に発生いたしますばいじんや有害物質などを除去するために、高性能の集じん装置の設置とダイオキシン対策上の要請からの二百度C以下での集じん装置の運転管理、それからばいじんの濃度管理が義務づけられているわけであります。これらの基準によりまして、燃焼ガス中に含まれます重金属は排ガス中で凝縮いたしまして、ほとんどはばいじんとして集じん装置に捕捉されまして、排出されるガス中の重金属濃度は極めて低いレベルとなっていると考えております。
 現に環境省の調査例におきましても、重金属中で沸点が比較的低い水銀でありましても一ノルマル立米中〇・〇〇八から〇・〇一ミリグラムと、ドイツの規制値であります一ノルマル立米中〇・〇五ミリグラムと比較いたしましても十分低いレベルとなっているほか、沸点が比較的高い鉛にありましては不検出となっておるところであります。
 このように、高性能な集じん装置によりますばいじんの排出制御が義務づけられ、それによりまして重金属が低レベルまで除去されていますことから、ごみ焼却施設の排ガスについての重金属の排出基準を設けていないところであります。
 今後は、EUにおきます電気・電子機器における特定有害物質の使用の制限に関する指令、いわゆるRoHS指令と言われておりますが、これで使用制限されます重金属等の物質の廃棄物処理システムにおけます挙動等の調査をいたしまして、重金属の回収、リサイクルを含めまして、環境上より安全な処理システムを視野に入れた検討を行いたい、このように考えております。

○とかしき分科員 ありがとうございました。
 日本は高性能の焼却炉で、集じん施設も充実しているということで、確かに適正に運用されていれば非常にそれは有効だと思うんですけれども、問題を起こすのは大体適正に運用されていないところが起こすわけで、それは、いつもいつも管理していないといつそういう事件が起こるかわからないということで、ある程度、先進国ではもうこれはスタンダードな方法になっていますので、ぜひ重金属を排出基準に加えていただく。クリアしているのであれば、むしろ基準に加えても逆にいいのではないかとも言えるので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 そして、焼却をしてしまいますと、十万種類ぐらい以上化学物質はごみの中に含まれているわけですけれども、ここに熱の処理をかけていきますと非常に複雑な反応が起こってくるわけです。灰になってしまいますと一見容量が減って扱いやすいような気がいたします。見た目はそうなんですけれども、実際は化学物質の濃縮版みたいになっておりまして、ドイツの場合も、焼却灰というのは核廃棄物と同じような扱いで、非常に危ないということで、地下数千メートルの塩田に廃棄したりという形で非常に扱いに困っているわけです。
 ということで、焼却は、埋め立て全体まで考えていくと非常にコストがかかるのではないか。焼却までの段階では非常に安上がりで効率よくできるんですけれども、実際、処理の段階そして後世のことを考えると、化学物質のリスクが非常に大きくついて回る、焼却というのはそういう方法ではないかというふうに言われているのです。
 ということで、これが一つ、化学物質の問題点です。
 四つ目の課題といたしまして、財政上の問題です。
 今言いましたように、焼却は日本の場合はコストメリットがあると言われておりますけれども、欧米ではリスクを回避するための費用が意外にかかるということです。
 さらにプラスアルファ、もう一つが焼却炉自身の費用なんです。例えば一日の処理量が五十トンのものでも、それを超えて二千トンのものでも、日本の場合、大体一トン当たり平均約五千万円前後の費用がかかっているんです。大きくなったからといってコストダウンのメリットが余り見られないわけです。
 そして、私、実は台湾に視察に行きましたら、日本のあるメーカーが向こうで焼却炉を出しておりまして、国内でも私はそのメーカーの商品を見たことがあるんですけれども、全く同じ商品が日本国内ではトン当たり五千万円前後で売っておりまして、台湾では二千五百万円ということで、半額の金額になっているわけです。これは非常に不当に価格が操作されているのではないかなというふうに思ったんです。
 私も前に地方議員をしておりましたときに、こういう問題をクリアするために、国際競争入札みたいなものを自治体自身ももうちょっと取り入れていったらどうかということを提案いたしましたところ、これは難しいというふうに言ってきたわけです。
 ここでちょっと、せっかく国会議員になったのでお伺いしたいんですけれども、では、例えば自治体自身でこういう国際競争入札をしようと思ったときに、それを阻むものは一体何があるのか、ぜひ教えてください。

○由田政府参考人 お答えいたします。
 自治体独自で大型焼却炉を建設するために国際競争入札を導入しようとした場合に、それを阻む法律については存在しないものと認識いたしております。
 ただ、自治体の入札参加条件などに国内プラントでの実績などと書くような場合があってそのようなことが起こっている可能性はありますし、そういう指名などにより事実上国内メーカーに限られているのではないかというふうに推定いたしております。
 なお、WTO政府調達協定によりまして、都道府県及び政令指定都市が行います基準額以上の工事などにありましては、国内供給者と他の締約国の供給者との間に差別を設けてはならないこととされておりまして、政令指定都市で大型焼却炉の建設工事を発注する場合には、このルールに従って行われるものと承知をいたしております。これは、例えば建設工事費でありますと、二十四億一千万円以上の場合にはこのルールが適用されるということになります。

○とかしき分科員 大型焼却施設は第二の公共事業ではないかというふうにも言われておりますので、ぜひそういった価格操作が行われないようにしていただきたいと思います。
 次に、焼却していない国というのは、まず最初に大体ごみを資源として大きく定義をしていて、その次にローテクを駆使してリサイクルを徹底していくという方法なんです。
 先ほどお話しさせていただきましたノバスコシア州も最初に脱焼却、脱埋め立てを宣言したわけです。
 そして、それはなぜそうなったか、大臣はもう御存じだと思うんですけれども、最初に、一九八九年に国の方で二〇〇〇年までに五〇%埋め立てを削減するようにという指示が下りまして、それで、ノバスコシア州は大型の処理炉をつくろうということで市民に提案をしましたところ、大変な反対運動に遭いまして断念せざるを得なくなったわけです。州側は、では市民の方に責任があるだろうということで代替案を市民側から出してきてくださいということになりました。そうしましたら市民側から、でしたらごみを資源として扱おうということで、自分たちで徹底的にリサイクルをするという案が提案されました。そこで、ノバスコシア州はそれを受けて、脱焼却、脱埋め立て宣言をいたしまして、そして三つのシステムをうまく使って実行していこうというふうに決めたわけです。
 まず一つ目がデポジット制度です。
 これは、リサイクルにはお金がかかる。ドイツの場合もそうなんですけれども、分別を一生懸命やればやるほど税金を取られてちっとも安くならないじゃないか、不満が多いということで、いかにそこを解消していくかということで研究をいたしました。
 普通のデポジットですと、百円のところを百十円で売って、指定場所に持っていくと十円返してもらえるということなんですが、ノバスコシア州の場合は五円しか返してもらえないわけです。残りの五円は、RRFBといいましてNPOの資源回収委員会、これは行政側が委託しているんですけれども、こちらのリサイクル費用にかけているわけです。この効果がありまして、二〇〇一年では八三%の飲料容器が回収されて、二十九億円の費用が入ってきたというような形で非常にお金も浮いたわけです。
 そして、次にやったのが生ごみの堆肥化ということです。
 これは、ごみの中の大体七、八割を占めるのが生ごみと紙ということで、ここを何とかしていこうということで、生ごみを大きな都市で、州を挙げて回収しているということで、これは二週間に一回、一年かけて堆肥化していくということです。
 日本では堆肥化はもう普及できないのではないかということと、引き取り手がいないで、においの問題、費用の問題等いろいろあって難しいというふうに言われているんですけれども、実は、ノバスコシア州で使われておりました日本のメーカーのもので、においも出ないで堆肥化が非常にうまくいくということで、回収ボックスも工夫がしてありまして、においが出ないようにという形でやっているわけです。そして、出てきた堆肥も公共事業に積極的に使うということで、必ず回していくような形をつくっておりました。
 そういうふうに考えますと、今都内の自治体ですと、生ごみ大体トン当たり三万九千円ぐらいかかるんですけれども、ノバスコシア州ですと六千八百円ということで、日本の約六分の一の費用で回収できております。回収率は今八五%ということですね。
 堆肥化にはいろいろなメリットがあるんです。住民参画でごみを処理できるということなんですけれども、この生ごみの処理について今どういうふうにお考えなのか、今後の取り組み状況、どういうふうな方針をお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○由田政府参考人 環境省では、家庭から排出されます一般廃棄物、粗大ごみを除く可燃ごみ、不燃ごみに占める素材別の割合を調査しているわけでありますが、この結果を見ますと、家庭ごみの約三割を生ごみが占めておるわけであります。
 生ごみは、日本のような高温多湿の気候風土のもとでは腐りやすいということで、衛生的な観点からこれまで各地域で焼却という方法を中心に処理をされてきたところであるということで、既に御答弁申し上げたところでございます。
 しかしながら、生ごみを含みますバイオマス系廃棄物のリサイクルは循環型社会形成と地球温暖化防止を目指す上で重要な課題でありますことから、環境省では、従来の生ごみを単純焼却するという方法から、メタン発酵によりますガス化などの熱回収や、飼料化、堆肥化などの方向に転換を行いますために、循環型社会形成推進交付金制度によりまして、地域におけるバイオマス系の廃棄物のリサイクルの推進を支援しているところであります。特に、循環型社会形成をリードする先進的な高効率メタン回収施設については、通常よりも手厚い支援として、通常交付率三分の一のものを二分の一として整備を促進しております。
 加えまして、食品リサイクル法に基づきまして、食品製造メーカーやレストランなどで発生いたします食品廃棄物を肥料や飼料などにリサイクルすることも促進をいたしております。
 また、生ごみなどにつきましては、発生する場所に応じてその性状や量がさまざまであること、あるいはリサイクルの用途や地域の特性を十分に考慮する必要があることなど、さまざまな課題があるわけであります。これらを踏まえまして、望ましいシステムを構築していくことが必要であるというふうに考えております。
 このために、生ごみ等のスリーRのあり方につきまして、有識者や関係者から成る検討会を設けて検討を進めているところであります。

○とかしき分科員 済みません、時間がなくなってまいりましたので飛ばしまして、環境意識を高めるための環境教育の話をさせていただきたいと思います。
 きょうお持ちしましたのは、フランスのエコ・アンバラージュ社というところが、これは多分、容器包装リサイクル法、日本ではそういうものになるんですけれども、フランスでは包装廃棄物政令と言うんですけれども、こちらの広報活動に使っているキットなんですね。これは、容器包装リサイクル法で、大体二百四十億、日本円で換算すると費用がかかっているんですが、その中で広報費用が約五分の一の四十億円を使っているわけです。
 このキットを何でどういうふうに使っているかというと、これは、千五百人の広報担当官を仕立てまして、その人たちが、地方のイベントだとか文化施設とか、そして個々の家庭すらも訪問して、要するに法令のことについて詳しく説明していくわけです。そして、色がこういうふうに分かれておりますのは、それは相手の知識量に合わせてステップアップしていくということになるわけです。
 例えばこういうポスターの内容があったり、そしてアンケート、クイズとか、こういった分別はどういうふうにしていったらいいのか、そして細かい、これが答えなんですけれども、こういったものをクイズで出したりとか、それを説明するマニュアルとか、こういったものを充実させて、広報活動、これがひいては環境意識を高めていくということで、かなりの費用を割いてこういう環境教育をやっているわけです。
 日本も、いよいよ容器包装リサイクル法、先日通りましたので、どういうふうに広報活動を積極的にやっていくべきなのか、環境プログラムの充実をどういうふうに考えていらっしゃるのか、教えてください。

○由田政府参考人 容器包装リサイクル法の改正案につきましては、現在、参議院で御審議いただいているところでありますが、改正を契機といたしました容器包装リサイクルの一層の推進のための広報活動としまして、新規事業であります容器包装に係る三R推進広報事業としまして約五千五百万円を計上しております。
 これによりまして、国、自治体、事業者、国民の各主体が今まで以上に連携・協働しながら各種の取り組みを推進することを目指しまして、もったいないバッグやもったいないふろしきの活用など、レジ袋の発生抑制やスリーRの推進につながるもったいないの精神を生かした取り組みが各主体に広がっていくような広報活動を進めていきたいと考えております。
 また、先進的な取り組みを促進する事業といたしまして、容器包装廃棄物の三R推進事業として約五千三百万円を計上させていただいております。これは、教育に関するプログラムも含めまして、地域で効果を上げている実践例や取り組みにスポットを当てまして、表彰を行ったり、自治体等と連携しながらモデル事業を進めていくものでありまして、こういった事業も新しい法律の趣旨等の啓発、教育に資するものとして考えているところであります。

○小池国務大臣 環境教育というのは極めて重要なポイントだと思っております。
 今、最後のところで、また以降のところでございましたけれども、地方自治体などは、かなりいろいろなそれぞれの地域に即した環境教育を実際にやっておられる例がたくさんあります。仙台市のワケルくんというキャラクターがあったりとか、それから、幼稚園などにおいて、ワケレンジャーといって色別にいろいろなレンジャーがいるんですね、とてもユニークなキャラクター。
 やはり子供のうちからそうやって環境教育を積み重ねていくということが、すなわち、次の世代を担う正しい日本人というのか、また新たな世代で環境をしっかり守ってくれる、そういう世代が育っていくものだと考えております。

○とかしき分科員 環境教育というのは、次の世代にいかに環境意識を高めていただけるかということで、自治体ごとでいい取り組みをしているかと思いますので、そういった事例をお互いもっと交流できれば、そして、自治体をぜひ褒めていただいて、たくさんの表彰状を出していただいて、それをPRの場にまた使っていただければということで、環境意識を高めていただけるようにお願いして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。